靴の業界で、カットした素材のサンプルのことを「スワッチ」とか「カット見本」などと呼んでいます。
スワッチについて調べてみたら、まぁそういう意味のことが書いてありましたが、改めてみるとあの時計スウォッチと同じスペルじゃないですか!
ちょっと驚きです。
そんなスワッチが革問屋さんから届きました。
この業界では、こんな感じに革の端っこを切って、スワッチとして使います。
それじゃ、あまりたくさんスワッチをとったら革がなくなってしかうのではないかと心配するかもしれませんが、一般的にはそんなにたくさん同じ革からスワッチをとることは稀で、
革問屋の営業さんもちゃんとわかっていて製品には使えなさそうな部分を切ってくれることがほとんどですので、さほど影響はないと言って良いと思います。
スワッチはちょっと革のサンプルがほしい時にもらってくるものですが、そうではなく今年の新商品の見本帳というのがあって、こちらは取引先に配るようにちゃんと革を用意してカタログのようなものを作ります。
こんな感じです。
でも、こんなに小さな見本では革の質感などがいまいち良くわかりません。
結局、必要なスワッチをもらってしまいます。
さて、今日届いたスワッチは、私が以前から探していたもののイメージに非常に近いものです。
というのも、偶然にも複数のお客様から同じようなご要望やご提案を頂きまして、
「カチッとした服に合わせるような靴ではなく、ややアメリカンなカジュアルに合わせられるような靴がほしいのですが・・・。」
とのこと。
かといって、レッドウィングのようなブーツを作るのではなく、私のイメージはDr.Marten’sのオイルレザーを使ったブーツです。
私も何足か所有したことがありますが、雰囲気はブリティッシュですのでカジュアルと言っても多少は上品さがあって、それでいて革ジャンやいわゆる私たちがイメージするカジュアルなスタイルに良く合いそうなものです。
少し前に流行ったモッズコートなどにも合いそうですし、プチミリタリーというか、スニーカーを卒業した大人が履くカジュアルとでも言うのか、まぁそんなものです。
なので、ソールもタンクではなく、もう少しマイルドなものが合いそうなイメージだと思います。
さほどハードなものではありませんので、ジャケットやツイードのコートに合わせていただくこともOKだと思います。
そのような靴やブーツを作るための革のサンプルが、今回送っていただいたスワッチなのです。
色は8色あるようですが、私が発注したのは送っていただいたスワッチの中で左のネイビーと、右ふたつワインとチョコです。
こういう雰囲気の靴は、いわゆるビジネスシューズではちょっとかしこまり過ぎてしまうような時に履いていただくもので、シュリンクやスウェードの革と同じ方向性と考えていただいてよいと思います。
ただ、シュリンクやスウェードは好き嫌いがありますから、それ以外の選択肢を待っていた方には朗報ですね。
この革は、明後日の23日(日)に入荷の予定です。
革質は、プルアップと言って革を引っ張ると少し色がうすくなるような質感で、表面は素上げ調でオイルを含んだやや厚めの革です。
ザックリとしていますが、なかなか雰囲気があってキレイに仕上がりそうな感じです。
また、革のスワッチは仕上げをしていませんのでちょっと明るく見えますが、実際にはもう少し落ち着いた色に上がると思います。
是非一度工房へ見にいらしてください。
お待ちしています。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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