Archives

工具はカスタムして使います

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話


今日は6月30日。

今年も今日で半分が終わりました。

本当に早かった。

後半も楽しんでいきましょう。

さて、靴を作る工具はたくさんあります。

私個人的には工具に関しては単機能のものを好んで使いますので、結構な数になります。

この作業に使うナイフとか、この作業に使うハンマーなど、あまりひとつの工具であれもこれの遣うのが好きではなく、

似たような工具でもこの作業の時は大きいヤツで、この作業の時は小さいヤツという具合に分けていることもあります。

そして、ラスティング(つり込み)で使うのがこのラスティングピンサーです。



このラスティングピンサーは、ラスティングの時にしか使いませんが、ラスティングの際の革を引く作業とクギを打つ作業のどちらにも使います。

実際に、作業をするときに革を引く工具でそのままクギを打つことができるというのは、工具を持ち換える必要がなく、ある意味非常に合理的です。

そんなラスティングピンサーですが、この工具を含めてほとんどの工具が買ってきた状態から多少のカスタムをする必要があります。

というのも、使いやすいように加工する場合もありますが、この場合は危険の回避が主な目的になると言って良いでしょう。



通常、こんなふうにもってペンチのように革をはさみ、向かって右側の凸の部分を支点にして革を引きます。

買ってきたままのものはというと、



こんな感じです。



この写真では下側のものが新品です。

どこが違うのかというと、この部分です。



新品がこんな状態なのに対し、



私が使っているピンサーはこんなふうにツルツルに加工してあります。

じつはこの部分、ラスティングの際に革の形をササっと慣らすためにアッパーの革を直接叩くことがあり(使い方に因ります)、

この部分で革に傷をつけてしまってはいけないので、表面のガリガリを削るだけではなく、四つの辺と四つのカドを落としてあるのです。

職人さんによって使い方が様々なのですが、私の場合はこの面で革を軽く叩くこともあり、クギを打ち、革を引くときの支点として使います(その場合はアッパー側に触れることはありませんが)。

なので、もし誤って当たるところがズレてアッパーのどこかにピンサーの角が当たてしまって傷をつけてしまってはいけないので、

この部分の辺とカドは面を取りました。

このほかにも、ハンマーに関しても面の部分は革を叩くときに使うため、買ってきたらまずサンドペーパーである程度キレイに削り、カドを落として安全な工具に加工します。

ナイフ類は、ほとんど研いでないため自分でスパッと切れるように研ぐ必要がありますし、

釘抜きなどは、少しでも使いやすいように薄く削ることもあります。

ほぼ全部の工具においてカスタムが必要と言って過言ではありません。

自分に使いやすいというよりも、そうしないと使えないというのが正しいと思います。

それなら、初めから使える状態で売っていてくれればよいのにって思うのですが、これはそういう文化なのでしょうね。

お知らせ

【お知らせ 1 】

2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。

履きこんだ靴を見てみたいというご要望が多く、ぜひシューリパブリックの靴・ブーツを履いていらっしゃるお客様にご協力をお願いいたします。

詳細は、1月31日のブログをご覧ください。

インスタをやっていないというお客様におかれましては、私たちシューリパブリックへメールに添付して写真をお送りいただければ、私が代わりにアップさせていただきます。

ハッシュタグは #shoerepublicjpn です。

ぜひ皆さまの元に嫁いだシューリパブリックを見せてください。


【お知らせ 2 】

新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、工房にいらっしゃるのが難しいけれど靴のオーダーをご希望されるお客様へお知らせです。

ここ数年の間にご注文いただいた方、もしくは前回のご注文がそれ以前の方でも何足かご注文いただいているお客様は、

前回のデータを確認して問題なさそうであれば、そのままそのデータを元にオーダーをお受けすることが可能です。

靴の仕様に関しては、メールなどで打ち合わせをし、革に関してはご希望をうかがったうえでこちらからサンプルをお送りしてお選びいただく予定です。

こんな時だからこそ、足に合った快適な靴を履いて毎日を大切に過ごしたいという皆さま、ぜひご検討ください。

詳細は、4月18日のお知らせをご覧ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

オーダーではなく、ちょっと話を聞いてみたいとかちょっと相談してみたいという場合には、リモート見学という方法もございます。

まずはメールやお電話でお問い合わせください。


【お知らせ 3 】

シューリパブリックでは、日常仕様のオーダーメイド靴をお作りしています。

イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。

私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

 
   |  

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

↑トップへ