今日は、ウェルティングの日です。
といっても、靴業界の何かの記念日とかではなく、単に私のスケジュールの上での話になります。
ウェルティングに関してブログの記事を書くときは、だいたいウェルティングが終わってキレイになっている写真を載せることが多いのですが、今日の写真はまさにウェルティングの途中。
それも、こんなふうに中を見せちゃっています。
ハンドソーンウェルテッドの場合、インソールの裏側にリブと呼ばれる加工をして、ここにアッパー諸共ウェルトを縫い付けるわけですが、リブの加工の仕方は作り手によって異なっていて、それが出来上がる靴の雰囲気に大きな影響を及ぼしています。
ちなみに、私の場合はリブの幅を8ミリとやや狭くしています。
一般的には9ミリにしている方が多いようですが、このあとお話しするオウル(すくい針)の関係で8ミリにしているというわけなのです。
作業の手順としては、オウルでこのように下穴をあけて、そこに糸を通してぎゅっと締めるという、いたって古典的な作業ではあるものの、このオウルの針先の進入角や深さで縫い糸のラインがキレイになったり汚くなったりしてしまうます。
単にキレイ汚いというだけなら大したことではありませんが、ウェルティングにおいては靴全体の強度にかかわるので、しっかりとキレイに縫いあがっていなくてはいけません。
そして、私が作る靴のリブの幅が狭い件に関しては、これが関係しています。
オウルの針先の形状です。
国産の針に比べて私が使っている針は針先が急なカーブを描いているため、リブに深く入ります。
深く入るので、リブの幅が広くなくても十分な強度が出るわけで、逆に9ミリ幅にしてしまうと深く入り過ぎてしまいます。
この程度のカーブなら、リブの幅は8ミリくらいが丁度良いというわけです。
下穴をあけるときに、針があちらこちらに出てこないで、しっかりと決められたところに出てくるようにきれいに縫ってあげることが丈夫な靴づくりにつながります。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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