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ハンドソーンウェルテッドと上手に付き合う

カテゴリー: Message:伝えたいこと


もしかしたら、ハンドソーンウェルテッドのオーダーメイド靴は、普段に履こうとすると何かとっても面倒くさいとか、とっても手間がかか手大変なんて思っている人、いるんじゃないでしょうか?

結論から言ってしまえば、そりゃスニーカーに比べれば守らなくてはいけないこともありますが、基本的に普通の革靴と同じです。

あれやこれやとメンテナンスが欠かせないということはありません。

そもそも、私たちシューリパブリックのハンドソーンウェルテッドのオーダーメイド靴は、普段に履いていただくことを目的として作ってありますので、ほんの基本的なことを守っていただければそれで十分です。

それは、1回履いたら靴の中の湿気をしっかりと出してあげることです。

ハンドソーンウェルテッド

こちらは、製作途中のハンドソーンウェルテッドです。

ウェルトを縫い付けたところですが、写真をよく見ていただけると白っぽい糸でウェルトを縫い付けているのがわかるかと思います。

これは、手作業でひと針ずつ丁寧に縫い付けているのですが、この作業があってハンドソーンウェルテッドの靴はとっても履きやすいと言えます。

で、この糸ですが、インソールとアッパーの革、ライニングの革、そしてウェルトを縫い合わせています。

もし、この糸が切れてしまったら、それらがバラバラになってしまいます。

つまり、この糸がとっても重要ですし、それらが縫い付けられているインソールがとっても大切なのです。

このインソールとアッパーの革、ライニングの革、そしてウェルトを縫っている糸には、ちょっとやそっとじゃ切れないように松脂ブレンドのワックスを糸の中までしっかりと染み込ませてあって、

ちょっとくらい水に濡れたりしてもへこたれないようになっています。

ですが、湿気がそこに居座ってしまうと、少しずつ糸はやられてしまい、松脂ブレンドのワックスが剥がれてしまいます。

そのために、1日履いてたくさん汗を吸ったインソールが、しっかりと水分を放出できるようにしてあげる必要があります。

玄関のコンクリートやタイルの上に置きっぱなしにすると、そのあたりは思っている以上に湿気が多いのでインソールの水分は抜けません。

できれば、ちょっと高いところに置いてあげると良いと思います。

いけないのは、何日も続けて履いてしまうこと。

これは、インソールの内部に湿気が溜まり、糸にダメージを与えるとともに、インソール自体も硬化してしまい、割れる原因になります。

要であるインソールがダメになってしまうと、その靴はもう終わりです。

そうならないように、靴をしっかりと休ませてあげてください。

 

じつは、この靴は1回履いたらしっかりと休ませるというのは、ハンドソーンウェルテッドの靴に限ったことではなく、

グッドイヤーウェルテッドの革靴も、マッケイ製法の革靴も、セメンテッドの革靴も、そしてスニーカーにも言えることなのです。

理由はインソールに対するダメージというケースと、衛生面に置ける理由というケースと、その両方というケースといろいろですが、

基本的に靴は毎日履かないことが大切なのです。

 

ともあれ、ハンドソーンウェルテッドの靴の構造をある程度理解していただくと、こうしたら良いとかこうしたら良くないということがわかってきます。

ハンドソーンウェルテッド

こうして靴の中を覗いた時に、インソールの色がライニングよりも黒くなっているような場合は湿気が抜けていない可能性があります。

元々はピンクとベージュの中間のような色をしていますので、時々靴の中を確認してあげると良いでしょう。

 

ハンドソーンウェルテッドと付き合うために気を付けなくてはいけないのは、基本的にはこれくらいです。

特別なことはありません。

それでいて、優しく包み込むような履き心地はハンドソーンウェルテッド特有のもので、機械で作った靴では得られないものです。

決して贅沢品ではありませんから、ぜひ日常仕様の靴としてハンドソーンウェルテッドをご活用ください。

 

お知らせ

3月18日(日)には、自由が丘のRifare自由が丘店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。都内や神奈川県にお住いの方、ぜひいらしてください。

4月21日(土)には、大阪北堀江のRifare大阪店さんにて、恒例の「足の計測会&靴のオーダー会」のイベントを開催します。大阪近郊にお住いの方、ぜひいらしてください。

4月22日(日)には、神戸三宮のSUNさんにて、シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴のオーダー会を開催いたします。神戸近郊の皆様、ぜひお越しください。

どのイベントも、オーダーするしないにかかわらず、靴に興味があるとか、靴のフィッティングに問題を抱えているとか、とにかく作り手である私たちに質問を投げかけたり、相談したりということも大歓迎です。
もしかしたら一緒に問題を解決ということになるかもしれませんが、何かしらお役に立てるのではないかと思います。
おばあちゃんが、ご近所のおうちの縁側にお茶を飲みに行くような感覚で、ぜひお気軽にお越しください。

 

シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。

スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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