ここ最近、お客様から靴の修理のご依頼をいただく機会が特に多かったように思います。
修理と言っても、私たちでできるのは、私たちが製作した靴に限ります。
他社の製品に関しては、接着の問題や材料が揃わないなどの理由で、お受けできないのです。
さらに、作ったものなら何でも修理ができるというわけではありませんので、何ができて何ができないのかをご説明させていただきます。
修理の中で最も多いのが、カカトのトップピースが減ったので交換して欲しいというご依頼です。
これは、非常に簡単にできる作業ですし、同じ材料を使えるのであればどこでやっていただいても問題ありません。
私たちシューリパブリックでは、メインのソールとしてダイナイトソールを使っていまして、靴自体のセッティングもダイナイトの硬さに合わせていますので、修理の時にもダイナイトをお使いください。
次に、時々ご依頼を受けるのがオールソール交換と、ウェルト交換を含むオールソール交換です。
これらに関しましては、お客様の専用のラストを使っての修理が好ましいため、私どもの工房へお持ち頂きたいと思います。
そして、簡単にできそうで実は私どもでは修理が難しいのが、履き口などがほつれた時の縫いの修理です。
私たちの工房にあるミシンは、メインのものがポストミシンと言いまして、
靴になる前の平たい革の状態でしたら縫えるのですが、靴になってしまうと縫えないのです。
百聞は一見に如かずという写真。
こんな状態になってしまうため、ポストミシンでは縫えません。
ブーツでも、ほぼ同じ結果です。
ミシンの針は、革に対して垂直に下りてくることが理想で、写真のような状態では表の革は縫えるけれど裏のライニングは脱線してしまうことがかなりの確率で起こります。
そして、もう一台17種というミシンがありまして、
こちらはブーツの履き口ならだましだましで縫えるのですが、シューズの場合はと言うと、
テーブルにぶつかってしまって、結局縫えません。
じつは、修理をするときの専用のミシンがありまして、八方ミシンというものなのですが、どちらの方向にでも進むことができるなかなか便利なミシンです。
これがあれが、履き口の修理やもう少し面倒な部分の修理も可能です。
このあたりになると、靴の修理屋さんのテリトリーになります。
ということで、縫いに関わる修理は専門の修理屋さんへお持ちいただくのが良いと思います。
理想は、自分のところで作ったものはすべて修理できることなのですが、現実にはなかなか形ができあがってからの修理というのが難しくなってしまうのです。
スーツなど服の場合はどうなのでしょう?
ちょっと何かに引っ掛けて穴を開けてしまったとか、袖口が擦り切れてきた時の修理は、テーラーさんでやっていただけるのでしょうか?
機会があったら、ミヤサカ大先生にうかがってみたいと思います。
ともあれ、得意ではないのに無理して引き受けるのは、お客様も私たちもお互いにメリットがありませんし、しかしながらその線引きをお客様にさせるのはちょっと違うと思いますので、まずはご連絡ください。
専門家としてできるできない、もしくはどこでやるのがベストなのかということをお伝えいたします。
私どもの修理代金に関しましては、コチラをご参照ください。
次のイベントは、12月3日(土)と4日(日)にRifare大阪店さんにて開催の予定です。
さらに、翌週の12月11日(日)には、Rifare恵比寿店さんにてイベント開催の予定です。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
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