余談ですが、ここ最近は新型コロナの影響もあって旅行などに出かける機会が激減し、服や靴やバッグはそんなにたくさんは必要ないのではないかと思うようになりました。
これが将来的にコロナが落ち着いて出かけられるようになっても、やっぱりそんなにたくさん要るかというと、必要なだけあれば十分なのだと思います。
それが何着であり何足であり何個であるということは人それぞれですが、でも少なくともこれまでのようにたくさん買うのではなく、必要なモノを吟味して、むしろ本当に好きなモノ、もしくは本当に必要なモノを必要最小限で買い求めるというスタイルになっていくような気がします。
そして、どうせ買うなら本当に好きでちょっと良いものを買って永く使うということになるのでしょうね。
さて、今日ご紹介する革は好きか嫌いかは人それぞれですが、非常に流行り廃りのないベーシックなボックス調のとってもきれいな革です。
こちらの革は、フランスの有名なタンナーさんのもので、Saddle Calfと言います。
この革のブラウンは昨年の企画商品で使いましたが、その革の色違いです。
良い革か否かを見極める方法として、まずこうしてシワを確認するということが挙げられます。
キメの細かい良い革は、シワの入り方も細かくてとってもキレイです。
1枚の大きさは200デシほどなので、日本だと小さめのキップに分類されます。
最近は、このようなボックス調の革で生地が良くて仕上がりが良いものってほとんどなくなってしまいました。
本当に貴重です。
とりわけ黒い革はごまかせないとよく言われていまして、黒い革の場合その生地の良し悪しがそのまま出てしまうので、黒い革を作る時には特に良い生地を使うのだそうです。
そして、もう一つの見極め方が革の裏側を見ることです。
生地に十分な厚さがあってきめが細かいものであれば、裏側もちゃんとキレイになっています。
もちろんこの革もとってもキレイです。
そして、こちらは同じ革のダークブラウン色です。
革の状態で見ると、ダークブラウンの方がちょっとキレイに見えます。
この革は(黒も)マル革といって背筋で二つに裁断していないものなので、背筋がうっすらと見えますね。
靴を作る時には、この背筋を入れないようにするのがセオリーです。
一応ダークブラウンの方も裏側をご覧ください。
今納品待ちの靴の中にこの革を使っているものがありましたので、ちょっとご紹介させていただきます。
この週末に納品予定のSさんのギブソンシューズですが、こうして見てみると革の良さが際立っているのがよくわかりますよね。
このタンナーさんの革は、革の状態よりもラスティングをした方がキレイになり、さらに仕上げをするとこんなにキレイに仕上がります。
この革の雰囲気は、イギリスの高級靴でよくあるものですよね。
カチッとしていてスマートでとっても格好良いです。
黒もダークブラウンもどちらもほぼ同じような雰囲気で上がります。
きっとこのような雰囲気の靴は、お好きな方が多いはずです。
革の在庫ですが、黒の方はあと2足、ダークブラウンの方はあと4足になりますので、この革で靴を作りたいという方はお早めにご連絡ください。
ずっと永く履く靴を作るのに、ピッタリな革です。
革のお取り置きは、3か月間有効です。
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