多くのイギリス靴のカカト周りは、
こんな感じで、縫い割りと呼ばれる仕様になっています。
イギリスでは、silk seam と呼ばれています。
縫い割って、その両サイドにステッチがかかっていますが、なぜ両サイドにステッチがかかっているのかをご案内したいと思います。
まず縫い割りですが、
こんな感じに表と表を重ねて、縫い割りの針を使って縫い合わせ(今回製作している靴の革がスウェードであるため、表と裏がわかりにくいかもしれませんが、写真で見えているのが裏側で、表と表を重ねています)、
それをこんなふうに開きます。
この写真で見えているのも革の裏側です。
まだこの状態だと、開くと言ってもキレイに開けません。
なので、台の上で開いて縫い合わせた部分をハンマーで叩いて潰します。
こうして叩いて潰れるのが革の良いところです。
丁寧に潰すと、とってもキレイで滑らかになります。
そうしたら、先ほど叩いて潰したところにナイロンのテープを貼ります。
このテープを貼って完成とする縫い割りもありまして、その手法はイギリスではbrooklyn seam というそうですが、なせbrooklynなのかはわかりません。
このあと、縫い割った両サイドにステッチをかけて、これでsilk seam になります。
このステッチの意味はお分かりになりましたか?
ナイロンテープを貼って、その両サイドにステッチをかけることで、縫い割った糸とテープとの両方で強度を出しているのです。
裏側は、この通りしっかりとテープを縫っています。
なので、もしテープが曲がっているなどしてステッチが外れてしまっていると、それは意味がほとんどなくなってしまいます。
靴は、製作に手間をかけてしっかりと強度を出すことで、永く履いていただけるような工夫が至る所にあります。
中には、今では単なる名残になってしまっているものもありますが、ほとんどのモノはちゃんと意味のある工程になっています。
★★★お知らせ★★★
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昨年2月から、お客様が履きこんで格好良く成長したシューリパブリックの靴をインスタにアップしていただけるようにハッシュタグを作ってみました。
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私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。
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