この話は、以前からぜひ皆さんにお伝えしたいと思っていました。
私自身、作業の時にはスニーカーを履いていまして、
私は何が何でも革靴派というわけではなく、
スニーカーと革靴のそれぞれが異なる方向性を持っていますので、適した環境で使い分けていただくことが望ましいと考えています。

決してこれがスニーカー代表というわけではありませんが、
私がここ何年か気に入って履いているサッカニーです。
スニーカーのいいところは、気兼ねなく履けて動きやすいところ。
普段からスニーカーをメインに履いていらっしゃる方も多いと思います。
その動きやすさから、スニーカーって履きやすいと感じる方々も多いかもしれませんが、
じつはスニーカーがすべてに於いて歩きやすいかというと、決してそうではないように思います。
もちろん感覚的なことなので好みも関係ありますが、
そもそもスニーカーはスポーツをするときに履くことを目的としているので、
いわゆる私たちがイメージするようなスポーツの時には、スニーカーのほうが履きやすいということは間違いないと思います。
ですが、私がお伝えしたいのは長期的に見た時の足の健康面です。
スニーカーは、特に最近のとっても良くできているスニーカーは、外からの衝撃を上手に吸収してくれるため、
足にとっては良い面もある反面、悪い面もあります。

このローテクスニーカーでさえ、こんな感じでソールに厚いEVAを使っています。
となると、快適な環境にある足はいつの間にか怠け者になってしまっているということも考えられます。
人間の体は環境に適応しますので、常に硬いところを歩く環境にあれば、おのずと足も硬い環境に慣れて上手に衝撃を吸収できるようになりますが、
靴が衝撃を吸収してくれるとなると、足は退化してしまうかもしれません。
実際、私が普段からたくさんの方々の足を計測させていただいていますが、
おそらく今の人は私を含めて子供のころからスニーカーを履いてきた世代だからか往々にして足の縦アーチが低めで、
さらには横アーチがほとんどない方が非常に多いのです。
それがすべてスニーカーが原因とは言えませんが、無関係ではないはずです。
そのため、硬い靴を履くと足が痛くなるとか、スニーカーでさえも痛くなってきたという方もいらっしゃるほど。
私の考えでは、やはり日常生活の中で週の半分くらいは革靴を履いてスニーカーよりも硬い環境に置かれることで、足の機能を向上させるべきだと思います。

そのほか、スニーカーの弱点とでも言いますか、革靴に比べて及ばない部分ですが、
写真のように靴をねじった時のねじれ剛性が低いこと。
そして、カカトをホールドするための芯が弱いこと。
さらに、ウレタンを多用しているため、靴の中が蒸れやすいこと。
このような理由で、足が疲れたり靴の中が蒸れて気持ち悪くなったりすることもあります。
実際に足に合った革靴を履いてくださっている方はご存じなのですが、
長時間歩く場合には、スニーカーよりも足に合った革靴のほうが疲れにくいと言われています。
言い方を変えると、日頃から革靴を履いている方のほうが足を機能させて歩いているわけで、その結果として足の健康状態が良く、
ねじれ剛性の高い革靴を履いて歩くことで、無駄にに足が振られることなく長時間歩いても疲れにくいということのようです。

なので、靴屋としましては歩くときには足に合った革靴を、スポーツをするときにはスニーカーを、機敏な動きが必要な時にもスニーカーを、
あとはキレイな格好をするときにはぜひ革靴を合わせていただきたいと思います。
目的に合わせて、適した靴をお選びください。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ 1 】
3月2日(土)と3日(日)に、長野市のIVY PRODUCTSさんにお邪魔して、恒例のイベントを開催します。
今回も、足の計測をさせていただいたり、ご希望の方がいらっしゃればオーダーメイドの靴のご注文を承る予定です。
詳細が決まりましたら、また改めてお知らせします。
【 お知らせ 2 】
3月17日(日)に、自由が丘のRifare自由が丘店さんにおいて、イベントを開催します。
詳細は、また改めてお知らせいたします。
【 お知らせ 3 】
イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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