靴の良さを表現する言葉のひとつに、
「履きやすい」
という表現があります。
でも、履きやすいというのは一体どういうことなのでしょうか?
ときどき聞こえてくるのは、フワフワした履き心地で柔らかい靴が履きやすいという話ですが、
よほど高齢の方や足にトラブルを抱えている方でない限り、私はそのような柔らかい靴はお勧めしません。
というのも、そもそも私たち人間は裸足で歩けるような足の作りをしていました。
でも、文明の進化により靴を履くようになり、その靴が良くなって外からの衝撃をしっかりと吸収するようになると、その分私たちの足の機能は低下します。
私たちの足が機能しなくても、靴が機能しているのです。
便利だからと自動車にばかり乗って移動していると、自分の力で歩いたり自転車に乗ったりして遠くまで行く力がなくなってしまうようなものです。
でも、よくよく考えてみると、それはありがたいようで実は全然ありがたくない話で、
私たちの足の機能が低下してしまうと、将来私たちが年をとった時に歩けなくなってしまう可能性が高くなります。
絶対的に因果関係が認められているわけではないのですが、おおよそ理論的に考えると、
スニーカーさえも最近のものは非常によくできていて、そんな素晴らしいスニーカーを履いて育った私たちくらいの世代から下の方々の足は、
横のアーチがぺったりと落ちていたり、足自体の作りが薄くなっていたり、
明らかに昔の方々の足と作りが違っているというケースを、これまでの足の計測の経験から実感しています。
「いや、私は違います。とっても健康的な足をしています。」
というのであれば、それはそれで非常に好ましいこと。
むしろ、皆さんにそのような健康な足になってほしいというのが私たちシューリパブリックの目指すところです。
そのために、私たちはどのような靴を作り、どのようなフィッティングにしているかと言いますと、
インソールや靴の底の硬さは、比較的厚いけれど歩いた時に「コツン」という音がするくらいの結構硬い仕様にしており、
硬いところを歩くような感じで足を鍛えるようにし、
フィッティングは、靴を履いた時にカカトがブレないように剛性の高いカカトの芯(スティフナーと言います)を使い、
カカトから甲のあたりまでは、ストレスを感じない程度にしっかりと面でホールドするようなフィッティングにしていて、
例えるなら裸足で歩くかのように足をしっかりと機能させることを狙っています。
なかなか言葉で表現するのは難しいのですが、
履いた時には硬いけれど安心して履けて、
歩くときに足を十分に機能させることができる靴なのです。
普段から足に合った革靴を履くことで、歩き方に変な癖がつきにくくし、足を機能させて歩くようになっているので、いつの間にか健康な足になっているということを目論んでいます。
もちろん靴に対する考え方は作り手にとどまらずみんなそれぞれだと思いますが、
それでも数十年後に健康な足・脚でいられるように、日頃から関心を持っていていただきたいと思います。
★★★お知らせ★★★
【 お知らせ1 】
シューリパブリック15周年記念モデル第1弾及び第2弾ともに引き続きオーダー受付中です。詳しくはこちらをご参照ください。
【 お知らせ2 】
10月27日(土)と28日(日)に、神戸三宮のSUNさんにて、恒例のイベントを開催いたします。
SUNさんでも、お客様の足を計測して、足の特徴や適した靴のサイズをご案内させていただきます。
また、いつも既製品を履くとここの部分が痛いのはなぜか、この問題を解決するにはどうしたらよいかということの、ご相談も承ります。
さらに、ご希望があればシューリパブリックのハンドソーンウェルテッドのオーダーメイド靴のご注文も承ります。
なかなか埼玉の工房へ行くことができないとい方、まずは一度ご覧になってみてください。
ご注文ではないけれど、ご興味をお持ちいただいている方も、ウェルカムです。
SUNさんは、三ノ宮駅から徒歩でも数分で、トアロードと高架の交わる交差点近くです。
こちらを参照。
神戸周辺にお住いの方、ぜひお越しください。
【 お知らせ3 】
イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
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旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
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