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職人が作った証です

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話


みなさん、靴のカカトのところにある穴をご存知でしょうか?

デザインによっては、あまり目立たないのですが・・・、

カカトの穴

このあたりにあります。

カカトの穴

表側から見えなくても、裏側から見えればわかりやすいですね。

カカトの穴

じつは、今日靴関係の友人と話していて、びっくりしたことがありました。

それは、あるお客様がこのカカトの穴がイマイチ納得できなかったようで、オーダーをキャンセルされたのだそうです。

私も友人も靴の業界に長くいるため、この穴の不自然さを全く感じなかったのですが、そのお客様にしたらきっととっても不自然だったのでしょう。

この穴は何のためにあるのかと言いますと、ラスティング(靴をつり込む作業のこと)の際に革をギューっと引くのですが、カカト周りのラスティングの時には当然に下方向に引くわけで、その際にアッパーの革がずれていかないようにアッパーを仮留めするクギを打つ穴なのです。

ちなみに、私がイギリスで靴作りを学んだ時にも、やはり同じようにクギを打って仮留めをしました。

それは、機械でラスティングをする時も、手作業でラスティングをする時も同じです。

まれにクギを打たないで作るメーカーもないわけではありませんが、一般的に見ればこの仮留めのクギを打つのが普通です。

むしろ、この穴があるということは、職人さんがしっかりと作ってくれたという証です。

でも、クギですからむやみやたらに穴をあけるわけではなく、きちんとしたセオリーに則って穴をあけています。

つま先や目立つ部分には穴を開けてはいけません。

ついでに見ていただきたいのが、靴の中です。

機械でラスティングをした靴には、インソールにあまり穴が開いていませんが、手作業でラスティングをした靴やハンドソーンウェルテッドの靴においては、インソールの端の近くにたくさんの小さな穴が開いています。
クギを1本1本仮留めのために手作業で打って、そしてその後にすべてを抜いて靴を作った証です。

こういうことって、知らなければ不良品だと思ってしまいかねないことですが、ぜひちょっと関心を持っていただいて、職人が手間をかけて作ったという証を感じ取ってください。

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