こちらの靴は、ちょうどラスティングが終わったところなのですが、
正確に言うとラスティング完了までは、もうひと工程あります。
それは、
このフェザーエッヂ(カド)をしっかりと立てることです。
現状ではこんな感じ。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、このカドがどんなふうになるのかご覧ください。
まず、靴づくり、特に日本の靴づくりではよく用いる作業で、実際にやってみるとみんなが驚く「叩く」という作業があります。
リアルにハンマーで叩いています。
それも、かなりの力で。
「キズが付かないのですか?」
とか、
「革が裂けませんか?」
ってよく訊かれますが、せっかく作った靴にそんなキズがつくようなことはしません。
これは、ちょっとコツが必要です。
ただ叩いていては、ハンマーの凸の形が靴にうつってしまうので、叩きながら手前に延ばすような感覚で叩きます。
そして、これは使う人もいれば使わない人もいますが、私は使います。
それも、かなりの頻度で。
コロコロ。
本名は何と言うのか、実はいまだに知りません。
とにかく、ハンマーである程度叩いて革がパリッとなったところで、このコロコロを使って凸凹を感じ取り、再度ハンマーで凸の部分を叩いたり、このコロコロで平らにしたりします。
そうして出来上がったのが、
こちらです。
作業をする前の写真と比べても、だいぶカドが立ったのがおわかりになるかと思います。
なぜこのようなことをするのかと言いますと、いくつか理由があるようで、
まず、カドが立っていると靴がシャキッとして、もしくはパリッとして見えます。
逆に、カドが立っていないとメリハリのない靴に見えてしまいます。
ということで、見映えの問題です。
それから、この後の工程でウェルトをかけるのですが、このフェザーエッヂが凸凹していたり浮いてしまっていると、ウェルトがキッチリとかかりにくくなってしまいます。
ですので、キレイに整えます。
とっても地味で、あってもなくても良いように思える工程かもしれませんが、きちんと作ってあげることで靴の仕上がりが左右されるとっても大切な工程です。
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