みなさん、靴のカカトのところにある穴をご存知でしょうか? デザインによっては、あまり目立たないのですが・・・、 このあたりにあります。 表側から見えなくても、裏側から見えればわかりやすいですね。 じつは、今日靴関係の友人と話していて、びっくりしたことがありました。 それは、あるお客様がこのカカトの穴がイマイチ納得できなかったようで、オーダーをキャンセルされたのだそうです。 私も友人も靴の業界に長くいるため、この穴の不自然さを全く感じなかったのですが、そのお客様にしたらきっととっても不自然だったのでしょう。 この穴は何のためにあるのかと言いますと、ラスティング(靴をつり込む作業のこと)の際に革をギューっと引くのですが、カカト周りのラスティングの時には当然に下方向に引くわけで、その際にアッパーの革がずれていかないようにアッパーを仮留めするクギを打つ穴なのです。 ちなみに、私がイギリスで靴作りを学んだ時にも、やはり同じようにクギを打って仮留めをしました。 それは、機械でラスティングをする時も、手作業でラスティングをする時も同じです。 まれにクギを打たないで作るメーカーもないわけではありませんが、一般的に見ればこの仮留めのクギを打つのが普通です。 むしろ、この穴があるということは、職人さんがしっかりと作ってくれたという証です。 でも、クギですからむやみやたらに穴をあけるわけではなく、きちんとしたセオリーに則って穴をあけています。 つま先や目立つ部分には穴を開けてはいけません。 ついでに見ていただきたいのが、靴の中です。 機械でラスティングをした靴には、インソールにあまり穴が開いていませんが、手作業でラスティングをした靴やハンドソーンウェルテッドの靴においては、インソールの端の近くにたくさんの小さな穴が開いています。 クギを1本1本仮留めのために手作業で打って、そしてその後にすべてを抜いて靴を作った証です。 こういうことって、知らなければ不良品だと思ってしまいかねないことですが、ぜひちょっと関心を持っていただいて、職人が手間をかけて作ったという証を感じ取ってください。 ★★★お知らせ★★★ 【お知らせ】 #SRF×オックスフォードは、オーダー受付中です(数量限定)。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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