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シュリンク

まずひとつお知らせです。 先日よりご注文を受け付けておりました「アフターコロナを楽しもう企画」は、ご注文とご予約で既定数に達しましたので終了とさせていただきます。 皆さま、ありがとうございました。 では、今日の投稿ですが、シュリンクの革が入荷しましたのでご紹介させていただきます。 黒い革と茶色の革です。 茶色の方は、先に入荷していまして以前にご紹介したことがあるものですが、同じシリーズの黒が先日入荷しました。 こちらの革は、「アリゾナ」といいます。 茶の革と黒の革とで若干シボの感じが違うのですが、それは天然由来ということで良しとしましょう。 見た感じはまぁまぁ柔らかそうな革です。 シュリンクの革は、靴になった時にしっかりしているのに履き心地が優しいという特徴があり、快適に履きたいというご要望には最適の革になります。 黒の方は、シボがやや薄い感じですね。 シュリンクというよりも独特な雰囲気といった方が適切なのかもしれませんが、この雰囲気はまさに黒い革に適していると思います。 というのも、黒い革であまりにも派手なシボだとちょっと個性が強くなりすぎてしまう可能性もあって、合わせる服を選んでしまうかもしれません。 対してこれくらいのシボでしたら、あまり主張しすぎることもなく、どんなデザインの靴でもまとめやすく、合わせる服も選ばないように思います。 工房にあるギブソンブーツのサンプルですが、この革もやや控えめなシボで、特につま先とカカト周りはラスティングの時に引っ張られてシボが薄くなっています。 シュリンクの革はだいたいそんな感じの仕上がりになります。 言ってみればシボのグラデーションのようなもので、派手過ぎずステキですよね。 革の裏側には、こんな刻印が押してありました。 この辺りの革は、だいたいがイタリアのトスカーナ地方で作られているもので、ELBAMATTのTempesti社やVacchetta 800のConceria 800社も生地の出どころは同じと聞いています。 それでも各社が個性を出してステキな革を作っていまして、今回ご紹介しているアリゾナも何かに似ているようで実はしっかりと個性を出していて、ステキな革です。 この革なら、ギブソンブーツやチャッカブーツ、さらにはセミブローグやフルブローグなどを作ってみると格好良さそうですね。 ご興味をお持ちいただいた方、ご連絡をお待ちしております。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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修理

お客様のKさんから、カカトのトップピース交換のためにこの3足をお預かりしました。 実はこのほかにもう1足オールソール交換のためにお預かりしています。 そちらはまた別の機械にご紹介するといたしまして、今回トップピース交換でお預かりしたこれらの靴たちですが、向かって右のギブソンブーツが1足目のご注文、真ん中のチャッカブーツがその次、左のモンキーブーツはこの中では比較的新しいものです。 真ん中のチャッカブーツは、ご注文いただいたのが2010年でしたので、すでに10年以上が経過していることになります。 それでもこうして現役で履いていただけていることは、とっても嬉しいことです。 3足ともカカトのトップピースがそろそろ限界に近づいていますので交換します。 トップピースの交換が済んだところ。 これだけでも、靴が元気になったような印象ですが、 さらに靴ヒモを新しいものに交換して、軽くアッパーのメンテナンスをしてあげると、こんなにキレイになります。 ただ、どうしても10年を超えてくると靴によってはアッパーに亀裂が入ってしまうものも出てきます。 今回お預かりした靴たちの中にも、小さな亀裂が入ってしまっているものもありましたが、この亀裂は正しいメンテナンスをしていればほとんどのケースで防ぐことが可能です。 具体的には、アッパーの革を乾燥させないように気を付けること、そしてクリームを塗りすぎないこと。 さらに履いていると靴のつま先が反ってきてシワが深くなってしまうので、そうならないようにシューツリーを入れるか、もしくはギューッと硬く絞った新聞紙などをシューツリーの代わりに靴の中に入れて、つま先の反りを戻してあげましょう。 新聞紙を入れる場合は、ちゃんと反りが戻っていることを確認してください。 かなりパツパツに入れないといけませんので、上手にやってみてください。 こちらの靴たちは、作業が終わりましたので明日発送の予定です。 またたくさん履いていただけそうです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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革7

先日、あるお客様と健康寿命の話をしました。 日本人の平均寿命は以前に比べてかなり長くなっていますが、その一方であまり表に出てこない健康寿命を忘れてはいけません。 健康寿命とは、日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと(ウィキペディアより)を言います。 データによると、平均寿命と健康寿命には8~9年の差があり、それは簡単に言ってしまえば人生の最後の8~9年は言い方が良くないかもしれませんが不健康な期間ということになります。 できることなら一生自立した生活ができるようにありたいと思うわけですが、データが示すように現実にはなかなか難しいことであり、それ以前に若いころにそれほど自分事として真剣に向き合うということもないのかもしれません。 日頃から健康を意識した食生活をし、適度な運動をし、ストレスをためないような生活をし、しっかりと定期的に健康診断を受け、悪いところがあればしっかりと治し・・・。 そんな厚生労働省が奨励するような生活は到底ムリです。 だいたい、健康を意識した食生活をしようと思っても、私たちが普段食べているものはほとんどが身体によくないものばかりなのではないかと思ってしまうほどです。 一昨日に、ウチの中学生の娘がコーヒーゼリーを食べたいというので、たまにはちゃんとコーヒーの豆を挽くところからやってみようと思いまして頑張って作ったのですが、500mlのコーヒーゼリーを作るのに砂糖を大さじ4杯(36グラム)も入れるというレシピで、500mlでコーヒーゼリーは小さなカップ7個分だったので、カップひとつに5グラムの砂糖が入っているということになります。 コーヒーゼリーに限らず、パウンドケーキなどを作っても粉100gに対して砂糖60gもいれることになっていたりして、知らず知らずにどれだけ砂糖をとっているのかと怖くなります。 ただ、身体によくないと言われるものをすべて排除すればよいかというとそれも違うわけで、お酒をたくさん飲む人やタバコをたくさん吸う人が長生きだったりすることもあるわけですから、あまり極端なことをするのではなく、リスクを知って上手に付き合っていくというのが良いのだろうと思います。 パウンドケーキを食べたければ、食べ過ぎない程度に食べればよいですし、炭酸飲料を飲みたければ、飲み過ぎない程度に飲めばよいと思います。 そうやって納得に行く生き方をしているのであれば、少々寿命が短くなったところで悔いはないですし、むしろそれが幸せなんだろうなぁって思います。 幸せは食べ物だけじゃありませんけどね。 聞くところによると、健康寿命を極力長くする秘策があるらしく、それは何かといいますと健康な70歳を迎えることなのだそうです。 70歳を迎える時に普段から身体を動かす習慣があったり、充実した日々を送っていたり、足や歯が健康であったりなど、この70歳というのが分かれ道であり、当然ながら70歳を迎える時にということはそれ以前にもある程度の習慣があるということなのです。 それまで何もしていなかった人が、急に70歳になるタイミングでスポーツを始めるというのはなかなか大変なことでしょうし、それまでの習慣を急に変えることも難しいはずです。 まだまだ先のことでちょっと実感がわきませんが、普段から多少気を付けた生活をしておく必要はあるのでしょうね。 さて、今日はこんな革でこんな靴を作ったらとってもステキだなぁって思いまして、ひとつ革をお勧めしたいと思います。 こちらです。 特に黒いビジネスシューズを作る時に人気のKing MPという革です。 こちらはそのネイビー。 このKing MPという革は、革の状態ではあまりパッとしませんが、靴になるととっても素晴らしい仕上がりになるという特徴があります。 なかなか信じがたいことですが、私もこれまで実際にたくさんの靴を作ってきて、毎回驚かされます。 それは、ツヤツヤのピカピカに仕上げるということではなく、革の質感が素晴らしく靴として映えるのです。 生地は大変目が細かく、でも革の状態ではなぜかそれが確認できません。 本当に不思議です。 参考までに、黒い革のサンプルと比較してみましたが、実際にはこの写真ほど青味が強いわけではなく、なかなか落ち着いたきれいなネイビーです。 こんな革でぜひ作っていただきたいのが、今の気分ではチャッカブーツです。 最近はカジュアルな服でお仕事をされることが多くなっていると思いますが、服によっては黒い革の靴だとちょっと重い印象になるところを、ネイビーの革なら同じ方向性でもちょっと軽快さが出て、イイ感じに上品さがあってそれでいて崩れすぎないという良いとこ取りに仕上がります。 さらに、ネイビーだとお仕事の時だけではなくオフの時にも使えると思いますので、非常に守備範囲の広い靴になりそうです。 ちなみに、私たちシューリパブリックのブーツは、真夏でも靴の中が蒸れにくく、不快にもなりにくいという特徴があります。 それに、たくさんのお客様から、靴を脱いだ時に足が臭くなくなったというご意見もいただています。 ともあれ、このネイビーのKing MPはとても上質で私個人的にもお勧めの革です。 気に入っていただいて、ぜひこの革で靴を作ってみたいという方、ご連絡ください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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ブラシ

余談ですが、先日何かのきっかけで富士フイルムのX-Pro3というカメラを目にしました。 私自身も富士フイルムのカメラを使っていますので富士フイルムのカメラは何かと気になるのですが、このX-Pro3というカメラは非常にマニアックで使い手を選ぶ大変おもしろいカメラなのだそうです。 X-Pro3というくらいですから、X-Pro2もX-Pro1もあるわけで、最初にX-Pro1が発売されて数年後にX-Pro2が発売され、さらに数年後にX-Pro3が発売されたという流れになっています。 通常、新しいモデルが出ると古いモデルは完全に影が薄くなって、特にデジタルものは古くなればなるほど魅力がなくなってしまうということが一般的ですが、このX-Proのシリーズの中でもX-Pro2に関してはX-Pro3が発売された今でも人気があるのだそうです。 たしかに最新のX-Pro3の方がスペック的には高い部分もありますが、それぞれがしっかりと個性を持っていることで、今からすれば6年も前に発売されたX-Pro2を買うということも十分に意味があります。 それと同じことがおそらくX-Pro3にも言えるはずで、もし仮に今X-Pro3を買ってずっと使い続けて数年後にさらに新しいX-Pro4やX-Pro5などの新しいモデルが発売されたとしても、きっとこのX-Pro3は愛着を持って使い続けられるカメラになっているのだろうって思います。 このX-Proシリーズは、価格帯が結構上の方で作りも良いので、そういう点も永く使い続けたくなるということにつながっているのかもしれません。 ちなみに、富士フイルムのXシリーズのカメラは、価格のレンジがいくつかあって、甲乙丙というか松竹梅というかまぁ何でもよいのですが、どのレンジをとっても同じ世代のモノなら同じセンサーで同じ画像処理エンジンを搭載しているため、高かろうが安かろうが基本的に出来上がる写真はほとんど同じと言われています。 なのに、わざわざ価格が3倍もするカメラを買う人がいて、それはその高価格帯のカメラにそれだけの魅力があるということなのでしょう。 ちなみに、私が普段出張などに持って行っているのはX-E3というモデルで、もうひとつ新しいX-E4が既に発売されていますが買い換えたいとは思わないんですよね。 これらも然りで、それぞれに特徴がありまして、私は今使っているX-E3の方が好みなんです。 デジタルだろうが何であろうが、気に入ったものを永く愛用するというのは、本当に素晴らしいことだと思います。 言い換えれば、永く愛用できるような気に入ったものに出逢えたということが幸せなのかもしれません。 さて、今日はブラシの話です。 先日お知らせした、企画商品にプレゼントでお付けするというブラシに関しまして、何件かお問い合わせをいただきましたのでご案内させていただきます。 こちらのブラシですが、簡単に言えばメガホースブラシよりも一回り小さいヤツということです。 メガホースブラシと比べてみると、 こんな感じになります。 私、個人的にこういうメンテナンス用品が大好きで、例えばメガホースブラシを玄関に置いておくとすれば、今回ご紹介しているホースブラシは職場にひとつ置いておきたいと思います。 何でもかんでもメガホースブラシで全然悪くないのですけど、このちょうど手に馴染むサイズのブラシをすぐ手の届くところに置いておきたいと思うわけです。 価格だって1,540円(税込み)とメガホースブラシに比べて半分以下ですし。 手ごろなブラシなのです。 毛足はちょっとだけ短いですね。 工房に在庫しておきますので、欲しいという方はその旨お声がけください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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シューツリー

つい先日までご注文を受け付けていたシューツリーですが、受注期間は本当に短い間だったのにたくさんご注文いただきましてありがとうございます。 最終発注分が今日納品されましたので、早速製作に取り掛かりました。 先日のブログでも書きました通り、フィッティングを考えてせっかく靴の親指の上の部分を薄く作っても、市販のシューツリーは結構厚みがあって靴を押し広げてしまってフィッティングが悪くなってしまったり、大きな折れジワが発生してしまうため、靴の形に合ったシューツリーを発売することにしました。 ちょうど靴が完成したTさんからシューツリーのご注文もいただいていたので、靴との相性を確認してみました。 これに合わせて作ったので当たり前のことですが、シューツリーを入れても靴が変形しません。 そしてしっかりと必要なテンションがかかっています。 これはTさんのラストに合わせて作ったものですが、他のお客様のラストに合わせて作れば当然ながら違う形状になります。 こちらは、別のお客様のシューツリー。 このお客様は、足が非常に薄いので先ほどのTさんとはちょっと違う形状になっています。 そのほか、サイズの関係からカーブが立ち上がる位置も皆さんそれぞれ異なります。 シューツリーのサイズがそれほど細かくないので、これは適応サイズの中でも若干緩めになるから、カーブが立ち上がる位置を少し前気味にするなど、いろいろ考えながら作業するのがとっても楽しかったです。 この調子で行けば、明日の午後の早い時間にはご注文いただいた皆さんのぶんが完成しそうです。 ご注文いただいた皆様、もう少々い待ちください。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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盆栽美術館

今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 かねてから盆栽好きのウチの家内が、ぜひ大宮にある盆栽美術館に私を連れていきたいと言っていたので、二人でのんびりと行ってきました。 ちなみに、私は盆栽をはじめとしてあまり植物には興味がありません。 興味がないので、興味がないなりに楽しんできました。 難しいことはわかりませんからね。 こちらが盆栽美術館の入り口。 この裏側に駐車場がありまして、ウチの家内曰くいつも空いているとのこと。 ちなみに、なぜ私が植物に興味がないのかと言いますと、花や木の名前が全く分からないから。 花を見れば全てバラと言うほどでしたが、最近は梅と桜の違い程度ならわかるようになりました。 家庭菜園を始めてから、野菜もだいぶ詳しくなりましたし。 今日、盆栽美術館にあった盆栽たちです。 エントランスには、こんなふうに上品な盆栽が展示してありました。 では、撮ってきた写真を並べてみます。 ご興味がある方はごゆっくりご覧ください。 ご興味がない方は、下の方へスクロールしてさい。 盆栽は、少し腰を低くして見上げるくらいで見るのが良いと教えていただきました。 さて、盆栽を堪能した後はリスがいる公園に連れて行ってもらいました。 リスが放し飼いにされている檻があって、その中に入ることができます。 ペットショップなどで売られているリスは見たことがありますが、こんなに近くでリスを見るのはたぶん初めてです。 こちらにお尻を向けて一生懸命に穴を掘っている子もいました。 ここは結構広くてのんびり散歩ができそうな公園で、おじいちゃんとおばあちゃんがシートを広げてお弁当を食べていたり、お母さんと子供が散歩に来ていたりといったかんじで、なかなかほのぼのとした良い雰囲気の公園でした。 今日の移動は基本的にクルマでしたが、目的地についてたくさん歩きまわるのでチャッカブーツを履いていったのですが、歩きながらいろいろと思うことがありました。 おそらく多くの方が散歩をするなら、もしくはたくさん歩くのならスニーカーの方が良いと思っているかもしれませんが、靴屋からすればそれがすべて正解という訳ではないのです。 スニーカーは、スポーツをするときには非常に適していますが、日常に履くことを考えると良い面ばかりではないのです。 具体的に言うと、スニーカーはフカフカで柔らかいので、履いていると足が外からの衝撃を受ける前にスニーカーが衝撃を吸収してくれます。 とても快適なのは良いことですが、それが当たり前になってしまうと、足そのものが怠け者になってしまい、弱くなってしまいます。 対して革靴は靴そのものがスニーカーに比べて硬いので、外からの衝撃が伝わってきて、それに慣れることで足が鍛えられます。 人間はそもそも歩行時の衝撃をしっかりと吸収する機能を持っていますし、ちゃんと足を機能させて歩くことで体中の循環がしっかりと行えるようになっているのだそうです。 私自身、作業の時はスニーカーを履いていますし、スニーカーも好きなのでスニーカーがダメということを言いたくないのですが、楽をすれば人間の身体はそうしても怠け者になってしまうということは事実なのです。 ちょっとした移動でも歩かないでクルマを使ってしまうために、身体が運動不足になってしまうようなイメージですね。 そうなってしまうと、今は良いかもしれませんが、将来もう少し歳をとった時に足や身体の健康が怪しくなります。 筋力が落ちてしまった運動不足の足では、ちゃんと普通に歩くことができないばかりか、身体そのものの代謝が怪しくなってくるかもしれません。 決して不安をあおるマーケティングではありません。 そういうことが起こる可能性があるので、ちゃんと知っておいてほしいということです。 スニーカーばかり履いていた方が、革靴を履くと初めは硬いし重いし疲れると感じるかもしれませんが、革靴に慣れてくると全然そういう嫌な印象がなくなって、身体も軽くなり、むしろそのしっかり感が好ましく感じてくるというケースがこれまでたくさんありました。 私自身も、最近は新型コロナのこともあって外出する機会が激減していたため、革靴を履いて出かけると初めは身体が重く感じることもありましたが、やっぱり長時間履いていっると革靴って良いものですよ。 疲れないわけではありませんが、心地よい疲れを感じられます。 革靴を履いた時じゃないと使わない筋肉があるようで、これが身体を良い状態にしてくれる感じなのです。 「いや、そんなことない。スニーカーの方が絶対に履きやすいし身体を良い状態に保つには適している。」 というご意見の方もいらっしゃると思うので、何が何でも革靴ということは言いませんが、硬いところを歩いても疲れにくい足を維持して、将来のために足から健康を保っていただきたいと思います。 今日は久しぶりにちょっとたくさん歩いたので、そんなことを考えました。 もしかしたら多くの方々がコロナのことで歩く機会が減っているかもしれません。 久しぶりに歩いたら、ゼーゼーハァハァなんてことにならないように、そして10年後20年後の健康をイメージして、身体を良い状態に保っておきましょう。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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チャッカブーツ

今日のお客様は、埼玉県にお住いのTKさんです。 ご注文いただいていた靴が完成いたしましたので、納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。 今回完成した靴が3足目になります。 早速履いていただきました。 今回完成したのは、グリーンのちょっと個性的な革を使って製作したチャッカブーツです。 この革は、ご注文の時にTKさんがとっても気に入ってくださったもので、チャールズFステッドの革です。 スウェードの革にオイルを染み込ませたものなのですが、独特というかオモシロイというか、TKさんもこんな革は見たことがないとのこと。 実際に履いていただくと、とっても硬い革なのに思ったほど靴が硬いわけではなく、確かにまだ今日のうちは硬さが残りますがこのまま履き込んでいくといい感じにしなやかになってくれそうな雰囲気でした。 TKさんも、 「持った感じとは違って、全然硬くないですよ。」 とおっしゃっていました。 仕上げでミンクオイルをやや多めに染み込ませまして、とっても良い雰囲気に仕上がっていますが、ミンクオイルのおかげでちょっとくらい雨が降ったときだって問題なく履くことができそうですよね。 大変気に入っていただけたからだと思うのですが、帰りはこのチャッカブーツを履いてそのままお帰りになりました。 今日はお休みだとおっしゃっていたので、靴の慣らしを兼ねてどこかに行かれたのかもしれませんね。 TKさん、今日もありがとうございました。 靴の仕様 デザイン: チャッカブーツ レザー: オイルスウェード ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRD+お客様の足に合わせた調整) 製法: ハンドソーンウェルテッド 今回使用した革の在庫の有無: 有り ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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インソール革

本当に久しぶりに浅草に行きました。 前回行ったのは、いつだっただろう? レザーフェアの時かもしれません。 あの時は電車で行ったのでウトウトと揺られて行きましたが、今日は買ってくるものもあったのでクルマです。 ちなみに、今回買って来たものはこちら。 インソールに使っている栃木レザーのヌメ革です。 これを3枚買ってきました。 さすがにこれを持ってくるには、電車ではムリですよね。 今日はその他に、はじめてお邪魔する革屋さんで打ち合わせもありました。 その革屋さんとはもう数年来のお付き合いなのですが、私がまだ会社の方にお邪魔したことがなくて、担当営業さんから常々来てくださいと言われていたのです。 ちなみに、その革屋さんはRussoの「King KP」や最近では既定数まであとわずかになっている「アフターコロナを楽しもう企画」で使っているデュプイの「シャトーブリアン」を購入した革屋さんです。 そんなわけで、今日は革がたくさん展示してあるショールームを見せていただいて、そのあとじっくり革の話を聞くことができました。 今回の「アフターコロナを楽しもう企画」と、昨年末の「今年頑張った自分にご褒美プランPart2」で使った「シャトーブリアン」、そして昨年の秋の「今年頑張った自分にフルブローグ」企画で使った同じくデュプイのサドルカーフのこともちゃんと聞いてきました。 これらの革は、展示会用のサンプルとして数枚ずつ購入したものの、案の定単価が高くて購入してくれるメーカーさんや問屋さんがほとんどなく、結局ほとんどがサンプルで終わってしまったのだそうです。 それがそのまま一度倉庫に行き、その後私たちのところに来たということでした。 それとは別に、私たちが最近メインで使っているボックス調のきれいな革のKing MPもすでに入荷が終わってしまっていて、もう在庫限りになってしまっていることを改めて確認してきました。 世界的に革の生地が不足していたり革の価格が上がってしまっているので、欲しいと思ってもなかなか入手することが難しくなってしまっています。 実際に素晴らしい革を作っていたタンナーさんが廃業してしまう例も少なくなく、今後の革の調達は本当に心配です。 靴を永く愛用していただくには、やはり品質の高い革が理想的なのですが、それももしかしたら遠い昔話になってしまう可能性だってないわけではありません。 ともあれ、今日は私が希望する革をお伝えして、探していただけるようお願いしてきました。 じつは、その革屋さんに伺う約束が11時だったのですが、30分くらい余ってしまって隅田川をフラフラ散歩しながらゆっくりゆっくり向かったのですが、 ご存じの通り今日は本当に3月なのかと思うほど暑くて、初夏のような日差しでした。 隅田川越しに見えるスカイツリー。 ここのところ暖かい日が多かったので、開花している桜の木もあったり・・・。 ここ最近ずっと田舎にばかりいたので、こういうごちゃごちゃした建物や川沿いをランニングする人たちがとっても新鮮でした。 今日は特別温かくて、おそらく花粉もたくさん飛んでいたのでしょう。 もう私の花粉症がかなりひどくなりまして、仕方なく近所の内科に行って薬を処方してもらってきました。 これで収まると良いのですが。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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フィッティング調整

お試しで販売しているシューツリーですが、受付は本日(3月13日)までとなっております。 靴に負担をかけない形状に削ったシューツリーの購入をご希望の方は、本日中にご連絡ください。 明日以降は全く販売しないわけではありませんが、納期が長くなってしまうことと価格が通常価格になります。 さて、お客様のAさんから、靴のハネがピタリと閉じてしまったので調整をしてほしいとのことで靴をお預かりしました。 今回お預かりしたのはこちらのスウェードのオックスフォードです。 どうやらAさんの足がやせてしまったようで、足囲で3~4ミリくらい細くなってしまったのではないかと思われます。 ギブソンにしてもオックスフォードにしても、こういう場合の調整はベロの内部に革を挟み込んであげるのが合理的だと思います。 今回はこの革を使いました。 1枚だとちょっと足りなかったので、2枚重ねです。 なるべく不自然にならないように少しサイズを変えておきます。 また、変な段が出ないように裏側は漉いておきます。 次に、ベロのステッチをほどいて表の革とライニングをはがします。 この作業、もっと大変かと思っていたら思いのほか簡単にはがれました。 そこに先ほどの革を挟み込んで、もう1枚挟み込んで・・・、 ステッチをかけるところに接着剤を塗り、しっかりと貼り付けてからミシンをかけます。 どうしてももともと何もはさまれていないところに何かを挟んで、そのうえで同じようにステッチをかけようとするとライニング側のステッチが外れてしまうことがあるので、その場合にはしっかりと接着剤で貼り付けてから縫います。 また、ライニングの革は引っ張れば多少伸びるので、しっかりと伸ばして形を整えてから縫ってあげるとキレイに仕上がります。 これで靴ヒモを通して完成です。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。  

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ギリーシューズ

そのまえに、お知らせです。 先日よりご案内させていただいております「アフターコロナを楽しもう企画」ですが、少しずつご注文いただきましてブラウンの革、ダークブラウンの革共に残りあと1足ずつになりました。 革が残っていたら・・・ と考えている方、この企画は既定数に達し次第終了となりますし、これらの革の再入荷はございませんので、お早めにご検討ください。 さて、今日はお客様のFさんよりお預かりしたギリーシューズのオールソール交換&ウェルト交換の修理が完了しましたのでご覧いただきます。 この靴は、もう結構永いこと履いていただいているものです。 カカトのトップピースもソールもイイ感じにすり減ってきていて交換のタイミングになっていたのですが、 靴の剛性が下がってきているとのことで、ウェルトやボトムフィラーも新しくしてリフレッシュをすることになりました。 ハンドソーンウェルテッドの靴は、手縫いでウェルトを縫い付けるので、インソールやアッパーに新たに穴を開けることなく元々の穴を使ってウェルトを縫いなおすことができます。 さらに、ボトムフィラーとして入っている補強材も新しいものに交換してあげることで、シャキッとしっかり感がよみがえります。 そもそもが足に馴染んでいる靴なので、馴染んだままシャキッとしてとても履きやすい靴に生まれ変わるのです。 当然ながらソール周りが新しくなったので、またしばらく履いていただけます。 ハンドソーンウェルテッドの靴は、このようにしてまた永く愛用いただけますが、普段履いていただくときに気を付けていただきたいことがあります。 それは、スティフナー(カカトの芯)をつぶさないようにしていただきたいのです。 アッパーの一部は補修などをすることができますが、スティフナーやトーパフ(つま先の芯)は補修が非常に困難なので普段から良い状態に保っていただきたいのです。 そのために、脱ぎ履きの際には靴ベラを使うとか、ちゃんと靴ヒモをほどいてハネを広げるということを徹底してくいただけますようお願いいたします。 そうすれば、すり減ったソールやヒールのみの交換でまた靴が元気になるのです。 ★★★お知らせ★★★ ★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。  私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。  打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。  ご検討中の方は、見学も大歓迎です。  また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。 ★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。

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