優しい履き心地の革靴を追求する

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先日、久しぶりに20年以上前に買ったイギリス製の革靴に足を入れてみました。

この靴は、イギリスのノーサンプトンにある有名な革靴のメーカーのもので、私がイギリスにいたころにはとても高くて買えなかったのですが、日本に帰国して靴のメーカーで働くようになってからお金をためて購入したものです。

そのころは、ドクターマーチンが大好きで普段からドクターマーチンを色違いで履いていましたが、ちゃんとした靴も履いてみないといけないと思いまして、頑張って購入した記憶があります。

当時の印象でも、革靴はこんなふうに足を包んでくれるものがあるのかと驚いたことを覚えています。

結局その靴は購入したものの、なんとなくもったいなくて外で履くことなく、そのまま箱に入れて保管していました。

ところが、20年以上たって久しぶりに履いたその靴の印象は・・・、

「ソールが薄くて平べったい感じがするし、さらにはアッパーの革が硬くて全然包まれている感じがしない。」

というものでした。

その靴は今でもとっても人気があって、その後はどんどん値段が高くなっているものなので、決して悪いものではないことはわかるのですが、革靴ってこんな感じだったかなぁと、ちょっと納得のいかない感じもありました。

なぜそう感じたのか考えてみたのですが、私は革靴と言えば普段は自分で作ったものを履いていまして、自分で作ったものは特に包み込まれるような優しい履き心地になるように気を遣って作っているため、硬さを感じないので、いつの間にか私は優しく包まれる感じに慣れてしまっていたのかもしれません。

決して誇大広告で自画自賛をしているわけではなく、私自身が硬くて痛い靴が嫌いなので足の当たりは基本的に優しくなるようにしているのです。

それを良しとするか否か、好きか嫌いかは人それぞれなので何とも言えませんが、シューリパブリックの靴が優しい履き心地であることは間違いありません。

でも、よくよく考えてみると、世の中の多くの方が革靴と言えば硬くて足が痛くて履きにくいし歩くと疲れるというイメージを持っていると思います。

実際に、そのような靴がほとんどですから。

スニーカーを履いて育った世代には、硬くて歩きにくい革靴は厳しい以外の何物でもありません。

それでも、ファッションとして革靴が必要な時もありますし、マナーとして必要な時もあります。

だから、履きたくないけれど仕方なく履いている方がたくさんいるのだろうと思っています。


前置きが長くなりましたが、私は普段からスーツを着ることがほとんどなく、言ってしまえばとってもカジュアルな格好をしていまして、基本的にはそんな格好に合う革靴を履くことが多いです。

もちろん、イギリスノーサンプトンらしいフォーマルな革靴も持っていますし、そういうものが基本なのでカチッとした靴も普通に作りますが、実際にはどちらも履き心地は優しくて包み込まれるような仕様にしています。

ただ、カジュアルな靴であれば、より優しい履き心地を狙うことができて、そんな優しく包み込まれるような履き心地の靴に使いたい素材がこんな革なのです。

アリゾナ

シュリンクの革です。

ただシュリンクの革であれば良いという訳ではなく、シュリンクでも多少オイルを含んでいてしなやかで、生地は目が詰まってしっかりしているものが、しっかりと優しく足を包み込んでくれるのです。

アリゾナ

生地の雰囲気が伝わりますでしょうか?

アリゾナ

ただクタクタに柔らかいわけではなく、しっかりしているのにしなやかというポイントが大切です。

アリゾナ

ちなみに裏側はこんな感じ。

そして、デザインを突き詰めるとチャッカブーツかギブソンブーツが良いと思います。

ギブソンブーツ

上の写真がギブソンブーツですが、カジュアルの靴として優しい履き心地をとことん追求するのであれば、このあたりが非常に理想的だと思っています。

シュリンクの革は、お好みで好き嫌いがあるかもしれませんのですべての方に対してこれがベストということは言えませんが、優しく包まれるような履き心地を追求するのであれば、ぜひ一度試してみる価値は十分にあります。

長時間履いていても全然苦にならないような履き心地で、心地よく1日を過ごせるはずです。

シュリンクの革は、上の写真の革以外にも在庫が何種類かありますが、お客様のお好みでお選びいただくことができます。

シボの小さな上品なシュリンクもありますし、もっとざっくりとしたシュリンクもあります。

シュリンクの革を使って作ったブーツを履いていただければ、シューリパブリックが狙っている優しい履き心地とはこういうことなのかと、きっと理解していただけるはずです。


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