今日は、ご注文いただいたお客様のラストの調整をしていました。
ラストの調整とは、お客様の足の計測結果を元にして、最も近そうな足長・足囲のラストを木型屋さんに作っていただき、それをさらに肉付けしたり削ったりする作業です。
参考までに、実際の足の数値がラストの数値になるわけではなく、ラストはある程度締めた数値になるように調整します。
どれくらい締めるのかは、そのお客様の足の状態などによって変わってきます。
同じような足の形状をされている2人のお客様でも、出来上がるラストは全く違うということも十分に考えられます。
この辺りのロジックは、以前にも書きました通り作り手の考え方による部分で、それが履き心地につながったり、疲れにくさにつながったりすることになります。
足の形状は人それぞれ違うので、足に合った靴を履くことがどれだけ大切なのかは何となくイメージしていただけることと思いますが、
それでは人の足はどれくらい違うのかということも重要な要因になります。
ほんのちょっとくらいなら、そんな細かいことを言わなくたっていいじゃない・・・ということになります。
でも・・・、
こちらが今日ラストの調整をしたモノです。
足長がちょっと違うので一概に言えない部分もあるのですが、
左のラストの方は、計測結果ではウィズ(足囲)がDでした。
真ん中の方が3E、
そして右の方がFでした。
C ⇒ D ⇒ E ⇒ 2E ⇒ 3E ⇒ 4E ⇒ F ⇒ G
という順番でウィズが大きくなっていくわけですが、仮に同じ足長の場合、上の表記で右にひとつ進むと足囲は6ミリ大きくなります。
ということは、足長が同じ方同士の場合、ウィズがDの方とFの方では計算上では30ミリ違うということになります。
30ミリがどれくらいかというと、とっても極端なたとえではありますが、ちょうど手元にあったPROCKEYマーカーの1本分の太さ分が増える感じです(本当に極端ですみません)。
でも、こうして比べたり数値にしたりすればすぐにわかることですが、子供のころからずっと見ている自分の足が標準とされている数値に比べてどうなのかということをご存知の方はあまり多くないように思います。
足の幅が細いと思っていた方が、計測してみたらじつは単にサイズの大きい靴を履いていただけということもありましたし、
足がたくさん汗をかくと言っていた方が、計測してみたら足の特徴からして合わないタイプの靴を履いていたことが原因だったということもありました。
そのほか、靴下にすぐに穴が開いてしまうのはカカトが細くて靴と合っていなかったなど、いろいろな原因が見えてきます。
足の計測をすることは、必ずしも靴をオーダーするということではなく、ご自身の足を正しく理解することです。
足の計測をして、足に合った靴を選んで、こんなに快適に歩けるのか!と実感していただきたいと思います。
オーダーメイドの靴屋は、そんなところでもお役にたてるはずです。
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