今年最初の革の入荷のお知らせです。
今回入荷したのは、こちらの黒い革です。
この革は、通常私たちが扱っている半分に裁断してある半裁のものではなく、
1頭分を1枚の革にしたマル革と呼ばれるもので、
日本ではキップに相当しますが、ヨーロッパではギリギリでカーフに含まれることもあるようです。
この表示を見てどこのタンナーのものかがわかる方は、かなりマニアックな方ですね。
別にクイズを出しているわけではありませんが、私たちがこういう革を入荷することはないと思っていましたので、ちょっともったいぶってしまいます。
この革の厚さは、1.25~1.3ミリほど。
厚さの割にはパリッとしているのでもう少し厚く感じられます。
この革のタンナーさんはAnnonay、
そして革の商品名はVocalouと言います。
そうです、あのアノネイ社の革です。
これまで半裁で120デシくらいで、コシとハリがあって、靴を作った時に永く履いてもそう簡単にへこたれないキレイな革を使ってきましたが、
なかなかそのような条件に合う革が少なくなってきまして、
おそらく皆様もご存知かと思いますが、以前は簡単に入手できたボックス調のキップなどフォーマルの靴に使えそうな革が激減しています。
本当に入手するのが困難です。
なので、ずっとずっと革問屋さんにそのような革を探していただいていましたが、
ついにここに行きつきました。
質感に関しては、申し分ありません。
かつて取り扱ったLusso社のWindsorと肩を並べるクオリティです。
今日、ちょっとだけ試しに裁断してみましたが、とってもイイです。
本当にしっかりしています。
Vocalouは、このようなグレージング仕上げがされています。
少し前だとマットな仕上げが好まれましたが、最近ではおそらくこのようなグレージング仕上げのほうが好まれるのではないかと思います。
その理由は、5年くらい履いた時の革の雰囲気です。
この辺りは好みもあるかもしれませんが、グレージング仕上げの革は普通に手入れをしていれば5年くらい経ってもほとんど古びた感じになることもなく、
一言でいえばいつまでもキレイな靴であり続けられるわけです。
実際に靴が完成した時には、この革のツヤほどのピッカピカではなく、適度にツヤ感を落として落ち着かせますのでピカピカ嫌いな方もご心配なく。
ともあれ、私としては待望の革の入荷といったところです。
ぜひこの革でお仕事用のオックスフォードやギブソンシューズ、もしくはギリーシューズ、
さらには、お仕事でもオフの時にも履けるようなチャッカブーツやギブソンブーツ、さらにはフルブローグのブーツなどを作っていただきたいと思います。
こんなキレイな革だからと言って、絶対にフォーマルな靴を作らなくてはいけないということではなく、
ちょっとキレイ目な服に合わせていただけるような黒い靴を作っていただけると嬉しいです。
なお、こちらの革は革自体の価格がかなり高かったため、4,000円(税別)のオプションとさせていただきます。
ご了承ください。
では、ご興味のある方はお早めに実物を見にいらしてください。
本当にキレイな革なので、ぜひこの機会にどうぞ。
また、関西方面のお客様や、長野方面のお客様の中でこちらの革で靴を作りたいという方がいらっしゃいましたら、その旨ご連絡ください。
長野には3月の初めにIVY PRODUCTSさんにお邪魔する予定なのでその時にご覧いただきたいと思っていまして、
関西方面には、日程はまだ未定ですが神戸のSUNさんに一度お伺いしたいと思っています。
なので、その際にご覧ください。
ただし、革のご予約が予定数に達した時点で終了とさせていただきますので、ご興味のある方はお早めにどうぞ。
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