靴クリームのフタ

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通常、乳化性の靴クリームを使って靴の手入れをするときに、クリームの量は片足につきコーヒー豆1つ分程度に抑えましょうということを言われます。

コーヒー豆1つ分ていうと、かなり少ないですし、それでどうやって片足に行きわたらせるのかもちょっと気になりますよね。

靴クリーム

こちらは、私が普段使っているモゥブレィのシュークリームジャーです。

このクリームを使う時に、皆さんはこれを使っていますか?

靴クリーム

クリームのフタです。

このフタの裏側は、わざわざこんなふうに銀色の紙のようなものが貼ってありまして、ここに適量のクリームをとって使えるようになっています。

分かりやすいように、先にここにコーヒー豆ひとつ分程度のクリームをとって、それを靴にまんべんなく塗ってあげればOKということになります。

じつは、私は靴の仕事をしていても、このことを知ったのは仕事を始めて何年か経ってからでした。

私のように知らなかったという方がいらっしゃったらこの機会に知っていただければいいなって思いまして、今日書かせていただきました。

靴クリーム

適量のクリームをここにとり、私の場合はキッチン用のスポンジを小さく切ったものを使って靴にまんべんなく塗り、その後ブラッシングをしています。

これで塗りすぎることもなく、もし残ってもまた次回使えるので非常に合理的です。

でも、なぜ靴クリームはたくさん塗ってはいけないのかご存じですか?

靴クリームは栄養補給の成分も含んでいるので、たくさん塗ったら革にとって良いのではないかと思うのですが、じつはちゃんと理由がありまして・・・、

靴クリームには栄養補給の成分も確かに入っていますが、ツヤを出すためのロウも入っていまして、そのロウを革にたくさん塗ってしまうと革の中に染み込んでしまい、その後時間が経つにつれてロウが少しずつ硬化し、革も硬化させて表面の亀裂の原因になってしまうのです。

せっかく靴を良い状態に保とうとしてクリームを塗っているのに、革に亀裂が入ってしまうのは困りますよね。

なので、クリームが古くなる前に定期的にクリーナーなどを使ってクリームを落としてあげることが大切なのです。

革を良い状態に保つためには、月に1度くらいの割合でデリケートクリームで保湿をし、そのほかに色のついた乳化性のクリームを使ってメンテナンスをしてあげるようなやり方が良いでしょう。

デリケートクリームだけだと、確かに栄養の補給はできますが、表面の保護としてはちょっと役不足が否めません。

メンテナンス用品を上手にバランスよく使って靴を良い状態に保ってあげることが大切です。

メンテナンスに関しては、絶対にこれが正解ということはなく、皆さんいろいろと考えがあると思いますので、納得できるやり方を実践しましょう。

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