11月11日(土)と12日(日)に愛知県の一宮市で開催するイベントに向けて、着々と準備を進めています。
私は、これまでも定期的にお取引先のショップで開催するイベントや、新潟のコージ製靴さんで開催するイベントに参加させていただいておりますが、
イベントに参加する楽しみはいくつかありまして、
まずその場所でしかお会いできないお客様に会って靴についてお話ができること、
それから、わざわざ遠くからそのイベントに来てくださるお客様がいらっしゃって、そんなお客様とお話ができること、
さらに、その土地に滞在して、仕事が終わってからのほんの数時間だけですがその土地の文化を堪能できることなどがあります。
新潟へ行くときは、だいたい宿がちょっと離れたところになるので、その土地のスーパーマーケットに行っていろいろと見て回ったり、時には見たことのない食べ物を買ってみたり、
その季節の果物を買って宿でのんびりと食べてみたりと、まるでそこに住んでいるかのような過ごし方ができます。
大阪や神戸の時は、宿が繁華街の中にあることが多いため、さすがに地元スーパーへ行ったとしても新潟ほどその土地の雰囲気を感じることはできないものの、
翌朝には少し早く起きて都会独特の朝の空気を感じたりすることもあります。
また、大阪や神戸に行った帰りには途中下車という手がありまして、全く何も下調べをしないで突然電車を降りてその街をフラフラと散策して楽しむこともあり、
やはりその街を堪能したりしています。
今回、一宮へ行くときには、私は準備の都合で前日から行っており、準備や打ち合わせが終わったら少し街中を散策してみるつもりです。
これまでに何度も行っていて、かなりあちらこちらと歩き回っているつもりだったのに、商工会議所の方から頂いた一宮市の冊子を見ると、本当に知らないところばかりで、
いかに素通りをしていたのかがわかります。
尾州毛織を生産する一宮は、世界三大毛織の産地のひとつであるそうなので、それはぜひしっかりと見てきたいと思っています。
食べ物に関しても、モーニングサービス発祥の地と言っている割にはまだ私はモーニングサービス自体の経験がありませんから、この出張中にぜひ1度はチャレンジしてきたいと思います。
最終日は、16時にイベントが終わりそのまま片づけをして18時くらいには出られると思うのですが、もしそのまま帰ってくるのが大変だったらどこか途中で一泊してくるのも良いなぁって思っています。
そうなると、18時に出発してあまり遅くならない時間に到着できる街だとすれば、中央道で帰ってくるのなら飯田、駒ヶ根、伊那あたりでしょうか?
その土地の文化に触れることもできるかもしれないので、まだどうなるかわかりませんがそれもまた楽しみのひとつです。
さて、そのイベントに向けてサンプルの靴製作は進んでいます。
先日、ネイビーのグッドイヤーウェルテッドのシューズの写真を載せましたが、今日作業を進めたのはその靴とほぼ同じ仕様のハンドソーンウェルテッドのシューズです。
紛らわしいですね。
グッドイヤーウェルテッドの方は、以前にご紹介した黒のチャッカブーツとネイビーのギブソンシューズをそれぞれ8サイズ(size 5 1/2~ seze 9)用意し、各1足ずつの合計16足ですが、イベントで販売することになっています。
オーダーメイドの靴を作っている工房がグッドイヤーウェルテッドの既製靴を販売するのはどんなものか?と思うかもしれませんが、
これが思いのほかよくできていて、そりゃ足にしっかりと合わせてオーダーメイドで作ったはハンドソーンウェルテッドには及ばないモノの、
サイズにおいてある程度大丈夫な方に於いては、実際に履いていただくとつくりの良さを感じていただけることと思います。
栃木レザーのヌメ革を5ミリに漉いたインソールや、ハンドソーンの靴と同じ厚くてしっかりしているスティフナー(カカトの芯)、
そしてダイナイトソールのセミダブルソール仕様であったりと、かなり贅沢な仕様です。
使用したアッパーの革も、黒のチャッカブーツはRussoのシボの革を、ネイビーのギブソンシューズはConceria800社のヴァケッタ800という革を使っています。
既製の靴のサイズ選びに関しては、私がその場におりますので最も合いそうなサイズをお勧めする予定です。
残念ながら既製品では難しい方もいらっしゃると思いますので、そのお客様にはその旨お伝えします。
その、ネイビーのギブソンシューズのサンプル靴(本来ならばサンプル靴を先に作るのですが・・・)を今作っていて、イベントに際に実際に私が履くかもしれないという予定でいます。
イギリス靴は、ただ靴単体であるよりも、誰かが履いているときの方が明らかに格好良く見えますので、履いた状態を見ていただきたいのです。
そして、今日はウェルティングです。
これまでにも何度もウェルティングの様子はご紹介していますので、特別目新しいことはありませんが、まぁご覧になってください。
まず、オウル(すくい針)でリブとアッパーの革とウェルトにまとめて下穴をあけ、
先端にブリストルをつけた糸をこちらからと・・・、
あちらから通し、
その糸をギューッと締めます。
ウェルティングは基本的にはこの作業の繰り返しですが、実は見ているほど簡単ではなく、ウェルトをどの位置に縫い付けるのか、下穴をどの位置にあけるのかなどに関しては全くマークがないので全て手勘でおこない、
当然ですがすべてが正確である必要があります。
縫いのピッチがバラバラだと強度に関して強弱ができてしまいますからすべて均一にする必要がありますし、曲がってもいけませんし、力加減がバラバラでもいけません。
締めすぎてもいけないし、緩くてはもちろんダメです。
そんなことをくりかえして、約1時間弱で片足を縫い上げます。
靴づくりに関心を持っている方は、主にこのウェルティングに関心を持っていることが多いのですが、作り手から言わせればじつはウェルティングは見せるということでは面白いですが、もっと深いのはインソールをどのように加工しているかという部分です。
全てにおいて理屈があります。
そんなことって、あまり紹介されることもありませんよね。
これは、作り手によって全く形状が異なっています。
つまり、コンセプトや考え方が違うということ。
あー、もうこれ以上は書けません。
ぜひ、イベントにいらっしゃってその秘密をご覧になってみてください。
★★★お知らせ★★★
11月11日(土)と12日(日)に愛知県一宮市にて、
クリエーターの仕事をその場で見ていただき、クリエーターたちとのコミュニケーションを目的としたイベントを開催します。
日頃から自らの手で作り出している実践的なクリエーターが集結して、パフォーマンスや商品の販売をします。
詳細はコチラをご覧ください。
一宮はモーニングサービスの発祥の地です。
イベントにお越しいただく方は、ぜひこちらをご覧ください。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
ご検討中の方は、見学も大歓迎です。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。