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ラストの帰属のこと

カテゴリー: Message:伝えたいこと


これは靴業界あるあるの話で、20年以上前にも友人のHから相談を受けたこともあります。

どういうことかと言いますと、彼もオーダーメイドの靴を製作していまして、ご注文の際に靴代とラスト代をお客様から頂くのですが、靴が完成してお渡しする時にお客様から・・・、

「ラスト代も支払っているのだから、ラストもください。」

と言われてしまったので、困っているという相談でした。

靴に関係のない方なら、そりゃそうだ、お金を払っているのだから一緒に渡すべきなんじゃないのと思われるかもしれませんが、これがちょっと異なるのです。

そのことをぜひ知っておいてください。

ラスト代として私たち作り手がいただいているのは、ラストそのものの物体の費用ではなく、私たち作り手がこれまでに得た技術でラストを作り上げる技術料なのです。

ラストは単にお客様の足の大きさそのままに作るのではなく、この足に対してこの部分はこれくらい絞る、この部分はこんな押さえ方をする、この部分は面ではなく線で当たるようにする、この部分はこれくらいの傾斜にするなど、膨大なデータが詰まっています。

言ってみれば企業の機密情報であり、ひとつの情報資産なのです。

ラストは見た目以上に大変重要なデータであり、技術の塊なのです。

そんなわけで、もし皆さんが今後靴をオーダーする際にラストも一緒に作る時でも、ラストはお渡しできない(お貸しすることもできない)ということをご理解ください。

ラスト

お知らせ

シューリパブリックの20周年記念モデル第2弾はまだまだ受付中(やまぶき色の革は完売)。

★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。

★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。

★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。

★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。

★また、オンラインによる見学や打ち合わせにも対応させていただいております。

★メールアドレスは info@shoe-republic.com です。




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