今日は全く性格の異なる2つの革を比較してみたいと思います。
まずひとつめがこちら。
オイルを含んでいるシュリンクの革です。
それに対して2つめはこちら。
表面をほんの少し擦って仕上げてあるスムースの革です。
これらをどう比較するのかということですが、靴にあまり詳しくない方だと単に革靴と言えば革を使って作る靴で、なんとなくビジネス用のちょっと硬めの黒い靴をイメージするかもしれません。
でも、今回ご紹介する革はどちらも革靴に使う革であって、ただそれらの性格の違いで全く違う分幾の靴が出来上がるのです。
オイルシュリンクの革の厚さを測ってみると、
だいたい1.7㎜強であるのに対し、スムースの革はというと、
1.3㎜ほど。
これだけの情報でどちらの革がよりカチッとした靴ができるかを推測してくださいと言われたとしても、正解を導き出すのは大変難しいです。
革が厚ければより硬いと思うかもしれませんが、じつは革が硬くなる要素は厚さだけではなくなめし方や加工方法、オイルを多く含む(これも加工に含まれますが)など様々な条件が重なってきます。
今回比較している2つの革は、じつは薄いスムースの革の方がだいぶカチッとしています。
この感じと、
この感じを比べてみればなんとなくおわかりいただけるはず。
オイルシュリンクの革は、そもそもシュリンクの革ということで柔らかめである上に、オイルを含ませているということでさらに柔らかくなっています。
これがもしシュリンクにしていなくて型押し加工でオイルを含ませていなかったとしたらおそらく厚さが1.4㎜ほどになっていてスムースの革とだいたい同じくらいの硬さになっていた可能性があります。
では、柔らかい革は使い道がないかというと全然そんなことはなく、硬めのカチッとしている革はどちらかというとビジネス仕様の靴やカジュアルでもキレイな雰囲気の服に合わせるような靴に適しているのに対し、
柔らかい革はよりカジュアル感の強い靴や、柔らかめの靴がお好きな方ように使ったり、もしくはフルブローグなどパーツがたくさん重なるデザインの靴を作る際にはただでさえ靴が硬くなりやすいのでそのようなデザインに使います。
もちろん革の雰囲気のお好みで選んでいただくのも良いですが、革の特性を知ったうえでその特性に合った一枚上手のデザイン選びをすると、ちょっと上級者になったみたいで楽しいかもしれません。
ちなみに、今日ご紹介したスムースの革はあくまでもこの津の革で比較したときにはパリッとしていますが、ビジネスシューズ用の革としてはそれほど硬いものではありませんので、このかわでフルブローグを作っていただくことも全く問題ありません。
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