9月完成予定の靴たちは、だし縫いが終わってこれからカカト周りの作業に入る予定です。
今月は、夏休みの予定が決まっていたのでスケジュール的に製作足数をやや少なめにしていましたが、ちょうどそのことを知っていたかのようにオーバーホール修理のご依頼がありまして、結局のところ9足のグループで作業を進めています。
今思えばちょうどよい数です。
このあとカカト周りの作業に進むのですが、簡単に言ってしまえば積み上げとカカトのトップピースを取り付けるということになります。
私たちシューリパブリックでは、積み上げはドイツ製のレザーボード材を使っていまして、時々コストダウンの為と言われることもありますが、全然そんなことはありません。
だいたいこの材料はレザーボードなのにすごく高いですし、作業性だって革の積み上げに比べて非常に良くないのです。
では何のためにこの材料を使うのかと言いますと、ダイナイトを使う前提でこの積み上げにすると接地感が凄く良いのと重量のバランスも良くなること、そして設置したときの音も心地よいものが得られるからなのです。
もしこの材料の代わりにレザーの積み上げを使ったとすると、接地したときに硬く感じるというか、底付き感があるというか、足も疲れやすくなってしまって全然靴の履き心地が変わってしまいます。
そんな理由から、積み上げはこのレザーボードにしているのです。
レザーボードが、こんな感じでシート状になっています。
これをクリッカーを使って必要な形状に裁断します。
抜型を使ってポコポコと抜いていきます。
そして、貼り合わせた積み上げにダイナイトのトップピースを貼り付けてカカトが出来上がります。
次の作業では、このカカトを靴のソールに貼り付けるわけですが、ソールの方は平らではなく凸のカーブになっているので、その形状に合うように積み上げの接着部分を削ります。
これもなかなか技術が必要な作業です。
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