前回の「その1」からだいぶ時間が経ってしまいましたが、サンプルの製作はちょこちょこと少しずつ進んでいます。
前回は、クリッキングが終わったところまでだったと思います。
クリッキングが終わったら、ミシンをかけす作業に進むのですが、靴のアッパー(上物の革を縫ったヤツのこと)を縫う前に、革が重なる部分や折り込む部分の厚さを薄く漉くスカイヴィングという作業があります。
専用の機械でやってしまうので、ほんの2~3分くらいの作業です。
そしてミシンに進みます。
ミシンをかける作業のことを、クロージングと言います。
ちなみに、私たちシューリパブリックでは、製作のほぼすべての工程を私が担当します。
一般的には、靴作りは作業ごとに専門の職人さんがいて、いわゆる分業のスタイルになっているのですが、私はせっかく全部できるのでお客様との打ち合わせから始まって、採寸、ラストの調整、パターンの製作、革の裁断、ミシン、その後の作業もほぼすべておこないます。
「ほぼ~」と言っているのは、唯一だし縫いというウェルトとソールを縫う作業に関しては、外注さんにお願いしているためです。
だし縫いの機械があるのだから、これも自分でやってしまえばよいのですけど、月に10足足らずのために機械を調整して何してかにしてというのも効率が良くないので、持って行って私が見ている前で縫っていただいています。
クロージングが終わったところ。
カモノハシのようだと言われました。
アッパーが出来上がったら、インソールの方の作業を進めます。
作業の方法は作り手によって様々ですが、私の場合はちょっと大きめのインソールの革を濡らして乾かして、そしてラストに打ち付けて、そして余分な部分を切り落とします。
その理由は、初めからピタリのサイズに裁断して濡らしてクギで打ち付けるのも良いのですが、インソールの革は濡らすと若干大きさが変わることと、インソールの革自体の厚みがあるため、インソールの断面の角度はラストから自然な流れにしたいので、ラストに打ち付けた後で断面をななめに裁断したり削ったりしています。
ちょっと手間がかかると言えばかかるのですが、意外にも濡れた状態でナイフで切り落とすと、結構簡単に終わったりします。
ナイフでインソールのトリミングをしたところです。
このあと、もう少しコバをキレイにするために、グラインダーでコバの角度を整えます。
そして、インソールの裏側にウェルトをかけるためのリブ(溝)を加工します。
そこまで進んだら、ラスティングです。
靴には、つま先とカカトに芯が入っています。
それぞれ役割があって、つま先の芯はトーパフと言って指先を守るためのモノ、カカトの芯はスティフナーと言ってカカトをしっかりと固定して歩きやすくするためのモノです。
目的が違うので、それぞれの芯の硬さも異なります。
そんな芯を接着剤でセットしてから、ラスティングが始まります。
ラスティングが終わりました。
だれか助手でもいれば、ラスティングの風景などの写真や動画も撮れるのに、私一人なのでこういう時は困ります。
この辺りまで来ると、何となく靴の雰囲気が感じられますね。
つづきもどうぞお楽しみに。
★★★お知らせ★★★
#SRF×オックスフォードは、オーダー受付中です(16足限定)。詳細はこちら。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。
今週末のスケジュールはこちら。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。