ときどき倉庫の中の革の状態を確認するために出してみていますが、見る度にこの革はこの企画に使おうとか、この革はこんな靴に合いそうだなどと、いろいろ妄想をしています。
今日ご紹介する革は、少し前に入荷したイタリアのConceria 800社のMOTOWNという革です。
こちらはその中の黒です。
MOTOWNは、たくさんの色展開がありましたが、私個人的にはその中でもこの黒とこげ茶の雰囲気が気に入りまして、ちょっと多めに入荷しました。
このMOTOWNの黒の良いところというと、パッと見て黒でもビジネス的な雰囲気に見えないところです。
これ、とっても大切なのですが、シュリンクや型押しの革なら黒でもビジネスっぽく見えないものもありますが、スムースのこんな雰囲気の革となるとなかなか珍しいと思います。
この革でつま先が丸い3穴のドクターマーチン1461のような靴を作っても、ビジネスっぽさは出ないでしょう。
ギブソンブーツを作っても然り。
なので、ちょっとキレイなカジュアルの服に合わせて黒い靴を履きたいと思った時に、間違いなく大活躍する靴を作ることができるのです。
革の質感は、一見ツルンとしたスムースのように見えて、じつはちょっとだけクセのある仕上がりになっています。
これを永い時間をかけて磨き込めばツルツルにすることもできますし、あまりロウの成分が入っていない例えばデリケートクリームなどをメインに使っていくと、ざっくりとした雰囲気の靴に成長していくはずです。
シワの入り方はこんな感じです。
生地がタンニン鞣しベースの革なので、多少ざっくりとしているところもありますが、大きなシワが入るような感じではありません。
革の断面はこんなふうに芯通しがされていないタイプで、昔ながらのズッシリとした重さを感じるイイ雰囲気の革です。
この革自体はどちらかというと柔らかめな仕上がりなので、フルブローグやセミブローグなどの重なるバーツがたくさんあるようなデザインでも全く問題なく快適に履いていただけます。
こんな革を使ってちょっと個性的な靴を作ってみたいという方、ご連絡お待ちしております。
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