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ブーツたち

今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 そして、このお休みを利用して今日も浅草へ仕入れなどのために行ってきました。 往きは道も空いていて、予定していたよりもだいぶ早く到着し、早々に用事を済ませ、帰路につきました。 途中、ちょうど中間点の春日部あたりを走っているときに、 「ピーン!」 という音とともにクルマのメーターにエラーメッセージが・・・。 何やら、メーター関係の何かにエラーが発生したとのこと。 幸いそのままお世話になっているディーラーさんに向かえる状態だったので、連絡をしてディーラーさんへ向かいました。 クルマを診ていただいている間、ボーっとクルマの雑誌を眺めながら思ったのですが、 今のクルマは永く付き合えるような環境ではありませんよね。 年々新たな安全装備や環境性能が向上したモデルが発売され、そんな中でいくら気に入っているからと言って何十年も前のクルマに乗っていたら危険だし環境にだってよくないし、 今回の私のように故障してパーツを交換するにも、パーツがないなんてことにもなりかねません。 クラシックミニのように、長期にわたって生産され、世界中に愛好家がたくさん存在し、本国にだってちゃんとパーツの供給体制ができているようなクルマなら安心できますが、 今現在のクルマをこれからずっと乗っていたとしても、クラシックミニのような愛されるクルマにはならないでしょう。 いくら昔の愛嬌のあるモデルを模して作ったとしても、それはそれで背景にあるものは全く違います。 世の中の進歩が速すぎるから、永く大切に使いたいと思っていても使えない環境になりつつあります。 デジカメだって、携帯電話だって、そうです。 ギッチギチに隙間なく作ってあるから、壊れる可能性のあるパーツがたくさんありますし、当然に素人にはそう簡単に直すことなんてできないし、直すとなると修理ではなくアッセンブリー交換です。 世の中のプラットフォームだって、どんどん変わって行ってしまいます。 クルマやデジカメや携帯電話やパソコンや、とにかく今世の中がお金を稼ぐターゲットとしているものは、永く使わないことが当たり前のようになりつつあるように感じました。   そんな世の中にも、まだ永く使えるものがあることを思い出しました。 機械式の時計、革製品、ちゃんと作られた刃物だってそうです。 丈夫なテーブルや椅子、そして私がお勧めしたい足に合った靴。 それらはこれから永く使うというよりは、すでに永く使うモノとして確たる位置をすでに築いているものですが、永く使っていて嬉しいもの達です。 私は靴屋ですから靴についてお伝えしますと、 良い素材を使ってちゃんと作られた靴は、履き込んでいくにしたがってどんどん履きやすくなります。 修理をしてまた使い込むと、また更に履きやすくなります。 靴は使い捨てで仕事でたくさん歩きまわるから、壊れたらテキトーに安いヤツを買ってまた履き潰すという考え方も否定はしませんが、 自分の人生のある期間の相棒として、気に入った時計や靴を持つという生き方をしてみると、今まで気づかなかったことに新たに気付くということもあるのではないかと思っています。 これらが私が気に入って履いている私のブーツたちです。 そして、ここしばらく私はオリエントの機械式時計を使っています。 これらがいつも身の回りにあって、使いたいときに使えるというのは、自分の居場所があるということに似ているような気がします。 たとえ世の中があっちの方やこっちの方へ進んだとしても、自分のものとして人生を共に過ごせる靴や時計があるのは、非常に素敵なことだと思っています。   私はじつは昔から結構クルマが好きで、これまでも自分のこだわりでクルマを選んできたのですが、今日クルマの雑誌を見ていてほしいと思えるクルマがほとんどなくなってしまっていたことが非常に寂しく感じられました。 もうこの歳になったらそんなに頻繁に買い替えるのではなく、本当に気に入ったクルマに永く乗りたいと思っていたのに、そんなクルマがないのです。 本当にフツーのクルマで良いのです。 昔で言えば510ブルーバードとか、フォルクスワーゲンのビートルとか、ルノー5とか、後から振り返ってみると時代を超えてずっと愛されたようなクルマに乗りたいのです。 でも、今それらに乗ることは普段使いとしてはややリスクがあります。 そんな気持ちをぶつける先が、永く愛していただける靴を作ることなのです。 決して特別何か尖っているわけではなく、基本を忠実に守って、丁寧にしっかりと作り込まれているものこそ、後から振り返ってみると永く愛されるモノになります。 靴屋として作ることができるのですから、頼りになる人生の相棒を作らせていただきます。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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