今日は12月30日。
今年最後の仕事が無事に終わりました。
私たちのような個人事業主はその年の最後に棚卸をすることになっていまして、私も今日午前中からソールや靴ヒモをひとつひとつ数えたり、革を1枚ずつ広げてデシ数を測ったりして、在庫の数量を確認しました。
これを読んでくださっている皆さんは、きっと靴屋の材料って革とソールとあとちょっとしたものくらいだろうと思うかもしれませんが全然そんなことはなく、主要な材料としてアッパー用の革とライニング用の革、インソール用の革、そしてダイナイトのソールが7サイズ×2色とトップピースが6サイズ×2色、副資材として両面テープやら接着剤やらハトメやらとにかく細かいものから大きなものまでたくさんの材料があるのです。
それらを全部数えて今年どれだけ買ってどれだけ使ったのかを算出するという、始める前は気が遠くなるような作業です。
ですが、もうこの仕事を始めてから毎年やっていることなのでだいぶ慣れまして、最近では明るいうちに終えて帰ることができるようになりました。
棚卸をすると、だいたいすっかり忘れていた革が棚の下の方から出てくるのですが、今回は残念ながらそのような掘り出し物はありませんでした。
でも、改めてこちらの革のすばらしさを実感できたのでご紹介したいと思います。
Tempesti社のMAINE(メイン)という革です。
MAINEは、ELBAMATTとともにTempestiを代表する革で、鮮やかな発色と大変しっかりとしたクオリティの高い生地が特徴です。
ちなみに、この革の色はネイビーです。
奥の方に黒いオックスフォードを置いてみたのですが、黒はだいたい実物通りに写っているものの、ネイビーは実物よりも若干明るめに写っていまして、実物はもう少し深みのある大変キレイな色です。
この革は見た目以上に大変しっかりしていまして、フルブローグなど重なる部分が多いデザインの靴を作ると結構硬い履き心地になります。
ですが、その硬さが履き込むごとに馴染んできて、いつの間にかしっかりと足をホールドしてくれる靴になっていきます。
シワの入り方を見ても、生地の良さを実感できるのではないでしょうか。
革の断面はこんな感じです。
MAINEは元々2.0㎜という厚さの革なのですが、この硬さでそんなに厚いとさすがに靴として厳しいですしラスティングも大変なので、私たちシューリパブリックでは1.6㎜にしていただいたものを使っています。
なので、裏側はこんな感じになります。
このMAINEはELBAMATTに比べてかなりカチッとした印象を受ける革で、履き心地も始めはちょっと硬いと感じると思いますが、数回履いて少しずつ馴染ませてちょっとずつ自分のものになってくる感覚が靴の成長を実感できて楽しいのではないかと思います。
ちょっとずつ馴染んできて、だんだん足の癖を覚えてくれて、それがある時からしっかりとかつ優しく足を包み込んでくれる手放したくない相棒になってくれるはずです。
じっくり時間をかけて靴を成長させられる方には、このMAINEは最高の革だと思います。
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