余談ですが、今日J-WAVEの午前中の番組「ラジド」を聴いていたら、ナビゲーターの渡辺祐さんがとってもイイことを言っていました。
もうお亡くなりになった山口瞳さんの言葉なのだそうですが、
「マナーとは、マナーブックのルールを全部覚えるのではなく、仮に定義するならば見た目が美しいこと」
なのだそうです。
知識などではなく、美しく立ち振る舞うことなのだそうです。
あくまでも山口瞳さんの言葉ですが、それはとってもステキな言葉だと思いました。
美しければ、周りの人が不快になることはありませんから、確かにそれは正論です。
靴選びに関していえば、TPOに応じたものを履いていればマナーという点からすればOKなのですが、
世代間のギャップもありますし、何が正しくて何が間違っているのかということになると、その文化的背景も関わってくるので、若干難しくなりますね。
個人的な趣味もありますし。
スーツにローファーは良いのかとか、
最近めっきり見なくなったあの先が細長くて尖っている革靴は良いのかなどということは、意見が分かれそうです。
ブーツも日本ではまだまだ市民権を得てないようなイメージがありますから、意見が分かれるのかもしれません。
さて、ご依頼を頂いて製作しているサンプルの靴ですが、ウェルティングが終わってボトムフィラーもセットして、ソールを貼る段階まで来ました。
今回使用するソールは、ダイナイトソールです。
そうそう、このダイナイトソール、時々間違って紹介されているのでしっかりと訂正させていただきますが、
正式名称が「ダイナイト スタッデッド ソール」と言います。
スタッデッドは、凸があるという意味ですね。
そして、生産しているのは「ハーバララバー社」です。
ハーバララバーというカタカナ表記がちょっと微妙ですが、Harborough(もしくはHarboroと略すことも)Rubberです。
イギリスのレスターシャーにMarket Harboroughという町がありまして、そこにある会社です。
話が脱線しましたが、
私たちシューリパブリックでは、ソールを貼るときには仮留めの接着剤を使っています。
商品名は「スリーダイン」という、極めてマイルドな接着剤です。
なぜ、そんなに弱い接着剤を使うのかと言いますと、ウェルテッドの靴はこのあとだし縫いをかけるわけで、だし縫いによってウェルトとソールが縫われます。
この「縫う」というのは固定させるのとは違って、目に見えないきわめてわずかなズレが生じることで衝撃を吸収することもあります。
歩いてソールが屈曲すれば、肉眼ではわからないくらいですがわずかに動きます。
スリーダインは時間が経つと強度が落ちて来るので、だし縫いをかけるまで維持してくれればそれで良いわけで、だし縫いがかかったら接着されていない方が都合が良いのです。
また、ソール交換の修理の時にはウェルトとソールを剥がしますが、しっかりと接着されていると剥がすのが大変です。
そんなわけで、私たちは仮留めの接着剤を使っています。
これは、あくまでも考え方によるところで、何が良くて何が良くないかということは作り手によって異なりますし、
完全に接着するにしても仮留めにしても、一長一短だったりしますので、これが最も優れているということではありません。
私の考えでは、履き心地を優先するなら、仮留めが良いだろうということです。
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シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
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