靴を製作する際に必要なラスト(木型)は、完成のちょっと前に抜きます。
ちゃんとラスティングをすれば、アッパーの革がしっかりとラストの形の通りになり、型崩れもしずらくなりますが、
革が落ち着く前にラストを抜いてしまっては型崩れをしてしまいます。
最低でも1週間、できれば2週間くらいラストを入れておくと、型崩れしにくく履きやすい靴になります。
さて、2月納品予定の靴たちが完成に近づいてきました。
このグループは、ラストを3週間ほど入れておいたので、型崩れの問題はありません。
ただし、どんなに長くラストを入れておいたとしても、ラスティングの際の引き具合が甘かったり、もしくは引く方向が間違っていては、すぐに型崩れを起こしてしまうので、正確な作業が必要です。
先日だし縫いがかかり、昨日ヒールがついて、今日コバ削りが完了しました。
ラストはどのタイミングで抜くのか、その作業の進み具合で若干前後することもありますが、
私はコバが決まった時か、もしくはコバにインクを塗って乾いた時のどちらかということが多いです。
しっかりと成型されていれば、どちらでも問題ありません。
では、こちらの靴のラストを抜いてみます。
どのように抜くのかと言いますと、専用の道具があります。
このようなものです。
一般的には、靴の材料屋さんなどにお願いして作ってもらうことが多いようですが、私は知り合いの鉄工所で作っていただきました。
かなりしっかりしています。
この木型抜きに、ラストの入っている状態の靴をこんな感じでセットします。
多くのラストが中折れ式と言って、真ん中あたりでポキリと曲がりますので、カカトを引き抜くと同時にラストを曲げて抜きます。
これは、ちょっとしたコツが必要です。
はい、抜けました。
ラストは、曲がったままだとバネが伸びてしまうので、ちゃんと元に戻します。
ラストを抜くのは、見ていると簡単のようですが結構難しくて、間違った方向に力を入れると抜けなかったり、せっかく完成間近まで来ている靴を壊してしまうことだってあります。
特に、しっかりとラスティングがされた靴は、その分ラストに対して非常にタイトになっていますので、寒い冬などはカカトが裂けてしまうことだってあります。
そうならないように、寒い時にはしっかりと革を温めて、丁寧に作業をする必要があります。
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