お客様のTさんからお預かりした靴の修理が完了しました。

修理のメニューは、オールソール交換+ウェルト、ボトムフィラー、シャンクなどの交換で、簡単に言えばウェルトから下が全て新しくなっています。
この靴が完成したのはだいたい17~8年くらい前で、17~8年の間Tさんの足元を支えてきたものです。

さすがにそれだけの年数が経つと写真のような小さな亀裂もあったりしますが、それを除けば大変状態の良いものです。
革の状態を見る限りでは、履き始めたばかりの頃はかなりしっかりとメンテナンスをされていたのかもしれませんが、おそらく最近はさほどメンテナンスをやりすぎていないようで、それが良かったのではないかと思います。
革を良い状態に保つ秘訣は、最低限の保湿とメンテナンスをやりすぎないこと。

ちなみに左足の方はさらに状態が良いようです。
実際のところ、こうして見える部分は状態が悪くなったりしたらすぐにわかりますが、見えない部分の例えばインソールの裏側とか、ウェルトを縫っているあたりのアッパーの状態などは履く方からすれば見えない部分であり、でもその部分が靴の本当の状態であって、正直なところパッと見ただけで靴の状態を判断するのは難しいのです。
例えるなら、一見元気そうな人がじつは内蔵の状態が良くないケースみたいなものですね。
このTさんの靴は、そこそこの年数が経っているので、新しい靴に比べれば多少劣化していましたが、実際の年数の割には良い状態でした。
そして、靴の内部の状態を判断する目安が、インソールの状態です。
インソールが黒ずんでいる靴は、ただ単にインソールが汚れているということではなく、それなりにインソールの裏側のリブの状態やボトムフィラー、ウェルトを縫っている糸、そしてその周辺のアッパーの革が劣化してきていると思ってください。

こうしてソール周りも新しくなって、さらにあと10年くらい、いやもっと履けそうです。
普通に丁寧に履けば、革靴ってこんなに永く履けるのです。
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