本日、6月納品予定の靴たちの先行グループが完成しました。
先行グループというのは、じつは今月はオールソール交換修理の靴が2足ありまして合計で10足になってしまい、通常なら9足入る箱でだし縫いをお願いしている職人さんに送るのですが、入りきれなかったのでブラックラピドの靴(2足)は別便で送りまして、通常のオーダーメイド靴6足と修理の靴2足が先に戻ってきたため、その6足が完成したということです。
ちなみに、修理の2足も完成しました。
その中のこちらのKさんのセミブローグの靴がとても良い雰囲気だったので、一足先にご紹介させていただきます。

セミブローグとは、ストレートキャップ+全面に穴飾り+メダリオン付きの仕様の靴を意味するもので、これがストレートキャップではなくウィングキャップになるとフルブローグとなります。
また、セミブローグからつま先のメダリオンが無くなるとクォーターブローグとなります。
なぜ?
私はその理由はわかりませんが、この業界ではそういうことになっているようです。

それで、このセミブローグシューズですがこちらはギブソン(外羽)ベースのデザインです。
これがギブソンじゃなくオックスフォード(内羽)ベースとなっても先ほどの法則は変わらないようです。
セミブローグって、私は個人的にとっても好きなんですよね。
それも、このギブソンベースのセミブローグが。
工房にもサンプルがありますが、フルブローグに比べるといくらか上品な雰囲気になっていますし、洗練された大人の靴という感じがにじみ出ているように思います。
そして、セミブローグを作る時には私なりのこだわりがありまして、それはキャップの大きさです。
パターンを作るうえではキャップの大きさはギブソンでもオックスフォードでも同じ大きさということになっていますが、ギブソンの場合は極々ほんのわずかですがキャップの後ろからハネまでの長さが長くなるため、0.5㎜ほどギブソンキャップをオックスフォードよりも大きくしています。
ですが、その前に基本的にイギリス靴はキャップが小さめで、それにはいろいろと理由があるのですが、このセミブローグもイタリア靴に見慣れた方からすればキャップが小さめに見えるのではないでしょうか。
結局はイギリス靴の小さめのキャップをほんの0.5㎜ばかり大きくしたところで小さいには違わないのですが、それでもバランスをとってこんな感じに仕上げています。
多分、誰にも分らないほんの小さなことですが、作り手はとことんこだわっています。

作り手の私は、どの靴も格好イイなぁって思いながらいつもお客様にお渡ししています。
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