つま先の浅いキズを治す

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おそらくご自分で靴のメンテナンスをやっている方はご存知だと思うのですが、もしかしたらご存知ない方のためにお役に立つのではないかと思いまして、極めて基本的な方法なのですがお伝えします。

修理

ここにギブソンブーツがあります。

このギブソンブーツ、じつはつま先にキズがありました。

これは履いて付いたキズではなく、まれにあるのですがラスティングをした時に浮かび上がってくるキズがあったのです。

この牛が生きていたころに作ったであろうキズがありまして、革によってはなめす過程で表面の処理をしたりして消えてしまったり、もしくは革になってから仕上げで表面処理をして消えてしまったのだと思いますが、ラスティングをすると出てきてしまうことがあるのです。

なので、クリッキング(裁断)の時にはわからないことが多いのです。

修理

このあたりに斜めにキズがありました。

たぶん、よく見るとまだ少し残っています。

修理

このような傷を含めて、履いていてちょっとしたキズが付いてしまった時も同じような方法で修理をする事ができます。

それは、こちらを使います。

修理

サンドペーパー。

靴好きの方からすると恐ろしいと思うかもしれませんが、本当に使います。

ただし、これは革の色が黒でスムースの革の時に限ります。

他の色だと色を合わせることが非常に難しく、帰ってきたなくなってしまうのでお勧めできません。

豚毛のブラシを使ってブラッシングをすること自体キズになってしまうのではないかと思う方がいるくらいなので、皆さんとっても心配をされていると思いますが、豚毛のブラシや馬毛のブラシでブラッシングをしてもキズはつきません。

ですが、サンドペーパーは使い方を間違えると取り返しのつかないことになるので、いきなりやりすぎないように用心深く正しく使ってください。

まず、革の深いキズには使えません。

極めて浅い、擦りキズの時に使います。

そして、使うサンドペーパーの番手ですが、比較的目の細かいものを使います。

もっとも粗いもので#500番くらいから、できれば#600番台くらいから使い始めて、それくらいの粗さのもので下地を慣らし、#1000番くらいのもので仕上げをします。

コツは、あまり深い層まで入らないように、あくまでも革の表面の層だけで片付けることを守ってください。

それよりも深いキズは、サンドペーパーを使った補修は向いていません。

#1000番で平らにしたら、次に平らなコテのようなもので表面を押し付けて落ち着かせ、その上に黒いクリームを塗って布で磨いて慣らしていきます。

コテ以降の作業を何度か繰り返すと、キレイに仕上がると思います。

ただ、繰り返しになりますが、あくまでも極めて浅い擦りキズの対処法であり、あまり自信のない方はプロに任せた方が無難です。

そして、くれぐれも自己責任でお願いします。

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