よく言われることですが、あんなに柔らかい革が靴になるとしっかりと形を保っていて、いったいどうしてなのかとても不思議だと。
革にはそんな特性があって、適した力で引っ張ってその状態をキープするとその形になるのです。
靴のアッパーをラストにかぶせて、ピンサーでギューッと引っ張ってクギで仮止めをしておくと靴の形になります。
これは、じつは引く力が強すぎると革が裂けてしまいますし、弱すぎるとちゃんと形を保つことが難しくなります。
ラスティングでは、革を引く力と引く方向が非常に大切なのです。
そして、革は一度折れるとその折れた癖を覚えます。
こんなふうに革があって・・・、
こうして革を折ってみると・・・、
革はこの折り目を記憶して、ちょっとした力で簡単に折れるようになります。
この特性が靴が馴染む理由のひとつ。
初めて履く革靴はまだまだ革が硬くて、歩いてみても折れジワが硬く同じところで折れるので、場合によっては折れジワが足に刺さるということになります。
もしそれをアッパーの方で解決するのであれば、折れる部分をピンポイントにせずにその周辺も折って柔らかくしてみると、痛みが軽減する可能性があります。
また、同じようなことで革の財布や名刺入れに関して本来折れるべきところじゃないところをいたずらに折ってしまうと、変な癖がついてしまって革が柔らかくなり、不本意なことになってしまいます。
一度ついた折れジワは消えませんので、革の製品を扱う時には革の特性をしっかりと理解しておくと善いでしょう。
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