これまで栃木レザーというとインソール用の革しか使っていませんでしたが、先日のレザーフェアで見つけまして、初めての取引となる革屋さんから購入し、本日到着しました。
それがこちら。

Virche(ヴァーチェ)という革です。
この革は、いわゆるタンニン鞣しの革で、それも昨今では非常に珍しいピット(鞣すためのプールのようなもの)で鞣して作られているとのこと。
製造過程でオイルワックスをたっぷりと染み込ませており、しっとりしなやかでもっちりとした質感です。
着色は染色仕上げで、透明感ある大変キレイな仕上がりになっています。
また、プルアップといって引っ張ると色が少々明るくなる仕様で、靴になった時のグラデーションも楽しめます。
そんな感じのことが、この革の説明文に書いてありました。
ちなみに、この色は濃チョコといいまして、いわゆるダークブラウンです。

いつも革の説明の時にこうしてわざとシワを寄せて写真を撮っていますが、これでその生地の特性がなんとなくお分かりになるのではないでしょうか。
このVircheは、これまでに扱った革とはかなり異なり、ワックスとオイルのおかげでとてもしっとりとしており、ちょっと硬めの赤ちゃんの肌のようです。

プルアップに関しては、それほど大きな変化があるわけではないようで、頑張って引っ張ってこれくらいの変化です。

裏側はこんな感じ。
じつは、私がこの革を選んだ理由は先ほどからお伝えしているワックスとオイルのしっとりもっちり感と、もうひとつがこの生地の雰囲気なのです。
アノネイなどの革とも違い、Russoなどのボックス調の革とも違い、Tempestiの革とも違い、どれとも違う独特の雰囲気があって、その雰囲気がすごく懐が深くスカーッと晴れ渡るような感じがして、この革をお客様たちにお薦めしたらきっと皆さんが楽しそうに靴を履いてくださる気がしたのです。
栃木レザーが多くの方に好まれるのはこんなところなのかと改めて驚きました。
ぜひ実物をご覧になっていただきたいです。

そしてもう一色が黒です。

こちらも生地の雰囲気は同様にとってもしっとりもっちりしていて、質感がとっても素晴らしい。

黒の方は、プルアップという感じはなく引っ張ってもほとんど色は変わりませんでした。
むしろ、こういう黒はその方が良いですよね。

裏面はこんな感じで、おそらくスプリットしてこういう状態なのでしょうけれどこの質感もまた良いのです。

革の厚さは1.8㎜ほど。
タンニン鞣しという割にはしなやかな感じで、硬いけれど柔らかいという説明のできない硬さです。
おそらくパリッと型崩れしづらい靴に仕上がると思いますが、オイルとワックスがこれだけ入っているので履いていて硬い靴という感じはしないでしょう。
いずれにしても、実物は想像していたよりもはるかにクオリティの高い革でした。
革の質感や雰囲気からすると、ビジネスシューズというよりはキレイなカジュアルの靴に適しています。
ちょっとジャケットを着てスラックスを履いた時とか、チノパンやデニムにも合いそうですし、守備範囲は広そうです。
デザインとしては、プレーントゥのギブソンブーツやチャッカブーツ、ギリーシューズ、ギブソンシューズなど革を面で見せるようなデザインの靴が革の雰囲気に合いそうな気がします。
タンニン鞣しのゴワゴワ感が全くない、本当にしっとりもっちりという言葉が最適の革です。
1枚ずつしか入荷していないので、この革で靴を作りたいという方はお早めにご連絡ください。
お取り置きも承ります。
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