以前からお伝えしている通り、10年くらい前だったら普通に買うことができたビジネスシューズ用の革が最近は本当に入手が困難になりました。
私たちシューリパブリックでも、BugattiやOld England、Anil Calf、Windsor、Ilciaのボックスカーフなどちょうど手ごろな革やちょっとハイグレードな革を扱っていましたが、もう今ではほとんどが入手困難となってしまいました。
これを読んでくださっているお客様の中には、そうそう、そんな革で作ったなぁという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、まだ在庫として残っている革がありました。
それがこちらです。
イタリア製のキップで、cellington(チェリントン)という革です。
もう残りがだいぶ少なくなってきていますが、良い部分で余裕を持って靴を作ることができるのでお勧めさせていただきます。
おそらくグレージング仕上げだと思うのですが、透明感のある大変キレイな仕上がりの革です。
この革の色の表記はbrownとなっていますが、実際にはオレンジ色とレンガ色の中間あたりのもので、カジュアルな靴を作ってもビジネス用の靴を作ってもなかなか使い勝手が良さそうな靴になるのではないかと思います。
革の雰囲気としては、比較的パリッとした仕上がりの革で、革の厚さの割にはカッチリとした靴が仕上がりそうです。
シワの入り方はこんな感じで、この革もかなりキメ細かいシワが入ります。
生地がとても良いのでシワの入り方もキメ細かいという訳です。
革の裏側はこんな感じ。
こちらもなかなかキレイですね。
そして、もう一色がこちら。
定番の黒です。
じつは、先ほどのブラウンもかなり個性的でキレイな色なのですが、黒のキップでこれだけ良い生地の革は最近では本当に稀になりました。
革の世界では、黒い革に一番良い生地を使うそうで、なぜなら黒は生地の良し悪しが出てしまい、ごまかすことができないためなのだそうです。
そんなわけで、このチェリントンの黒はかなり掘り出し物と言って良いでしょう。
仔牛の革なので、脇腹に仔牛独特の模様がうっすらと残っています。
これは、成牛になったら消えてしまうので仔牛の革の証です。
そして、当然ながら裏側も余裕のキレイさ。
シワの入り方も文句なし。
ちなみに、革の厚さは1.5㎜をさしていますが、たしかチェリントンは1.4㎜というのが標準だったはず。
この個体がちょっと厚いのかもしれません。
多分これが会社名だと思います。
革屋さんから買う時に、タンナーの名前よりも革屋の営業さんの説明を聞いて判断していたので、タンナーさんはじつはさほど重要ではないのです。
そんなわけで、このチェリントンは黒とブラウンが残っています。
どちらも残りは少なめなので、この革で靴を作ってみたいという方はその旨お知らせください。
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