さっそく余談なのですが、
昨日は私のジャケット熱についてちょっとだけお伝えしました。
次にジャケットを買うなら、やはり身体に合わせてもらえるものが良いと考えるようになりました。
もしかしたら、何軒かのショップを回っていれば身体に合うモノに出逢えるかもしれませんが、それもなかなか大変です。
お店の方にも迷惑をかけてしまいます。
なので、調整をしていただけるオーダーという方向で考えることにします。
で、いざそうしようと思った時に、どこのお店に行ったらよいのかということが大きな問題になります。
ネットで「オーダー、ジャケット」と検索すれば、日本全国のありとあらゆるショップが出てきますが、その中でどのショップが良いのか全く分かりません。
ウェブサイトに価格が記載していないショップもありますし、何となく私が考えているものと方向性が違うようなショップもあります。
だいたい、生地が選べてデザインが選べても、採寸やパターンの技術はどのように見たらよいのでしょうか?
全くダメということはないと思いますが、相性というのがありますので、どこでも良いというわけにはいきません。
何軒か良さそうなショップに行ってみてというわけにもいかないので、またここでリサーチしなくてはいけません。
神戸のSUNさんがもっと近ければ、ちょっと行ってお願いするのですが・・・。
また次の機会にSUNさんに行って聞いてみましょうか。
という一連の流れが、靴のオーダーを考えている方にも当てはまるのだと思います。
どのショップが良いのか全く分からなくて、かと言ってとりあえずオーダーしてみるという価格ではありませんから、結局足を踏み出せずにいるという方も少なくないはずです。
オーダーメイドは、実際に作ってもらってそれを使って初めてその作り手の評価ができるわけで、でも誰か知らない人の評価をそのまま鵜吞みにすることができるかというと、それもちょっとリスクがあります。
どのショップも、みんな良さそうなことを言っていますし、だいたいそんな営業トークを100%信じるわけにはいきません。
どんなに良い素材を使ったところで、採寸の上手い下手がありますし、採寸のデータに対してどのようなラストを作るのかというロジックの良い悪いがあり、さらにはパターンや靴を作る上での上手い下手があります。
上手か下手かというのは、〇か×かというモノではないので、これまた評価が難しいところです。
誰もが少しでも良いものを作ってほしいと思いますから、そうなるとなかなかオーダーするまで辿り着けません。
このあたりが、なかなかオーダーメイドが普及しない原因なのでしょう。
実際に私がオーダーをする立場に立って感じたことです。
では、私が作り手として皆さんにお伝えしたいのですが、何でもかんでもすべて完璧という作り手はもしかしたらいるかもしれませんが、実際にはほとんどないと思ってください。
六角形のレーダーチャートグラフが完璧にすべて満点という作り手は、存在しないと思った方が気持ち的にオーダーしやすくなります。
それなら、どの項目に関しても80点くらいとれている作り手なら良いじゃないですか。
その中で、どの作り手においても必ず得意な分野があって、お客様が最も重要視していることと合っている作り手を選べば良いのです。
ちなみに、私たちシューリパブリックは、履き心地、耐久性、価格を重要視した質実剛健な作りで、装飾に関しては必要最低限と考えています。
作り手は何を重要視しているかを示し、お客様は何を求めているかはっきりさせれば、オーダーメイドの壁は思いのほか乗り越えやすいものなのだろうと感じました。
さて、また余談が長くなってしまいました。
今日は、こちらの革をご紹介したいと思います。
ヴァケッタ800という革のネイビー色です。
以前に入荷して、大人気でしたので追加で入荷したものです。
このヴァケッタ800という革は、エルバマットという革を作っているタンナーの製品で、エルバマット同様にオイルを含んでいて、エルバマットがスムースの革なのに対してこちらはシュリンクの革です。
厚さは私たちが入荷したものはどちらも1.6ミリです。
これくらいまで寄ってみると、シュリンクの感じがよくわかります。
シュリンクの革の特徴は、履いた時の優しいホールド感です。
もともと私たちシューリパブリックの靴は、優しいホールド感を売りにしているのですが、シュリンクの靴はそれがさらに感じられるもので、実際に履いたお客様たちもシュリンクの革の履き心地に関しては独特のものがあるとおっしゃっています。
実際に革の表面はこんな感じなのですが、靴になった時には革が引かれるのでもう少しシュリンクのシボは目立たなくなります。
これまでに、何度か登場しているサンプルのギブソンブーツです。
このブーツはヴァケッタ800を使っていますので、こんな感じに仕上がるサンプルとしてご覧ください。
また、ネイビーの革は一般的な黒やダークブラウンとは一味違って、暗いところでは黒に見えてしまうかもしれませんが、やはり履いている方の個性を引き出してくれるように思います。
「あの人黒い靴を履いている」というのと、「あの人ネイビーの靴を履いている」というのでは、印象がだいぶ異なりますよね。
他人の評価はどうでも良いという方も、黒ほど重くなくて、それでいてネイビーのパンツに合う色として、ネイビーの靴はとても重宝します。
私も最近はネイビーのチノパンにネイビーのチャッカブーツという組み合わせを好んでいます。
ネイビーの靴は、季節を問わず一年中履けますから、欲しいと思った時にご注文ください。
私個人的にも、ぜひこのヴァケッタ800で作ったブーツを履いていただきたいと思っています。
とっても特別な優しい履き心地を、ぜひ体験してみてください。
★★★お知らせ★★★
【お知らせ1】 次回のRifare大阪店さんでの計測会&オーダー会のイベントは、4月15日(土)に開催です。
【お知らせ2】 4月16日(日)には、神戸三宮のSUNさんへお伺いします。神戸周辺にお住まいのみなさま、ぜひお越しください。
【お知らせ3】 3月31日(金)〜4月1日(日)に開催される、コージ製靴新潟工場さんのファミリーセールに出品することになりました。今回は、ちょっと厚めの革でチャッカブーツを作って出品する予定です。詳細は、後日お知らせいたします。
シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。
スケジュールはこちらをご参照下さい。
打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。
旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。
メールアドレスは info@shoe-republic.com です。