先日、あるネットの記事で・・・、
「私は安い靴を買うほど裕福ではない。」
というイギリスのことわざを知りました。
それをどのようにとらえるかは人それぞれだと思うのですが、イギリスらしいことわざだと思います。
そもそも、イギリス靴は丈夫で修理をしながら永く履けることという、とってもわかりやすい特徴があるのです。
昔聞いた話では、昔のイギリスの庶民はあまり裕福ではなく、それでも大変高価で作りの良いものを買うのですが、それはクリスマスセール(イギリスではクリスマスの少し前から靴や服、家電、家具など比較的高価なものが驚くほど安くなるセールを行う習慣があります)で安くなるのを待って購入し、それをずっと大切に使うそうです。
イギリスはお天気があんな感じで雨が多いため、靴は丈夫である必要があり、そんな丈夫な靴をそうそう頻繁に買うこともできないので修理をしながら永く履くという文化が成立したようです。
また、イギリスでは仔牛よりも成牛の肉を食べることが多いため、靴に使う革も基本的に成牛の革を使うようになり、そのことが丈夫な靴を作るのに都合が良かったということを聞いたこともあります。
それって、今考えてみればなかなか環境に良いことではないでしょうか。
靴を買って半年や1年くらいで履き潰してゴミがたくさん出るよりも、10年とか15年履ける靴ですり減ったソールだけを交換したほうがまずゴミが少ないですし、足に合った靴を永く心地よく履けるわけで、合理的でもあります。
さらに言えば、オックスフォードやギブソンシューズなどのイギリス靴は永い年月によって淘汰された大変理に適ったデザインで、昔から変わらないことは古臭いと言えば否定できませんが完成されたデザインで、今でも何の不具合もなく最前線で使われています。
私がイメージするイギリスは、ロータスのコーリンチャップマンのような突き抜けた大天才が後世でも通用するすごいものを考え出して、それらを技術者が磨き上げて文化を作っています。
イギリス靴も然り。
ただし、100年や150年前の靴をそのまま現代で使うのはさすがに環境が違い過ぎて難しい部分があるため、現代の道路環境や現代人が感じる快適性を備えた靴である必要があります。
私たちシューリパブリックでは、ソールは合成ゴムのダイナイトを使い、心地よいと感じていただけるフィッティングや、知らないうちに足をしっかりと機能させるようなセッティングで、現代の環境に適応させた靴を作っています。
ベクトルはイギリス靴ですが、それを現代に合わせてより長いものにしているのです。
靴は、ただ形を足に合わせればよいものではなく、その足に対してどうするかによって運動量や快適性が変わってきますし、加えて足を保護し疲れにくくするなど靴を履くことで得られるメリットも考える必要があります。
昔も今もイギリス靴はイギリス靴の味わいがありますので、私たちシューリパブリックはイギリス的な味わいで履く靴を作り続けます。
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