ときどきお客様から頂くご要望の中に、丈夫な革で靴を作りたいということをいただきます。
そりゃそうですよね、せっかく靴を作るのであれば、履き始めてたいして立っていないのに革が破れてしまったりしては困ってしまいますから。
ただ、実際には革は皆さんが思っているよりもずっと丈夫で、正しく扱っていればかなり永いこと良い状態を保つ事ができます。
よほど質の良くかよほど扱い方が間違っていない限り、表面に亀裂が入ったり破れたりすることはないと言って良いでしょう。
私が普段履いているモンキーブーツは、おそらくもうそろそろ15年くらい経つのではないかというもので、でも全く問題なく履けています。
もちろん革に亀裂が入ったりしているところはありません。
そのモンキーブーツに使った革は、イタリア製のオールドイングランドというものですが、もう完売してしまって取り扱いがないので今回は写真は載せないでおきます。
こちらは、履き始めておそらく年くらいのチャッカブーツです。
部屋の照明のせいで色が実物と違っていますが、黒い革です。
このチャッカブーツに使った革は、Tempesti社のMAINEという革で、これは今でも取り扱いがあります。
シワの入り方を見ていただくと、若干シワは大きめですが亀裂が入るような感じではありません。
もう1足は、こちらのギブソンブーツですが、カフーの型押しの革を使っています。
シワの入り方はこんな感じで、まだ履き始めて1~2年程度ですが全然元気な状態です。
では、私が選んでいる革と同じものを使って靴を作れば丈夫な靴ができるかというと、決してそういうことではなく、靴の状態を左右するのはメンテナンスであり、もっと言えばやりすぎないメンテナンスです。
靴クリームは栄養補給になるからと、むやみやたらに靴クリームを塗ってしまうと、クリームのロウ成分が古くなった時に靴の中に染み込んでいる部分が革と一緒にパリパリと亀裂となってしまうことがあります。
基本的な考え方は、最低限の保湿をして、靴クリームは塗りすぎないこと。
このようなメンテナンスを続けていれば、きっと良い状態を保つことができるはずです。
私たちシューリパブリックでは、特に初めてご注文いただいたお客様に靴の点検と称して靴をお持ちいただき、履き方やメンテナンスの仕方の確認をしつつ、アドバイスをさせていただいております。
タイミングを見計らってご案内をお送りさせていただいておりますので、ぜひ工房の方へお越しください。
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