先日は、シューツリーの企画のご案内となぜシューツリーが必要なのかということをお伝えしました。
今日も多少被る話もありますが、改めてシューツリーのことについてお伝えしたいと思います。
こちらは私たちシューリパブリックで使っているラスト(左)と、おなじく私たちが扱っているシューツリーです。
本来であれば、シューツリーの形状は上から見たシルエットだけではなく横から見た時の形状も含めて、底面以外はシューツリーと同じ形をしていることが望ましいと思われます。
ですが、こうして見比べてみても当然ながらこのシューツリーはこのラストのために作られたものではないので形状は違いますし、
こうして横から見ても甲の立ち上がりはかなり違います。
厳密に言うとこの写真のモンクストラップを作ったラストは3Eではなく2Eなので微妙に形は異なりますが、おおよその参考のために比較するには十分で、このラストからこの靴が出来上がるという参考資料になります。
とすると、このシューツリーは足長的にはこの靴に適しているものなのですが、このままでは厚さが厚すぎます。
ラストの甲が立ち上がるポイントの厚さは約32㎜なのに対して(底面の凸も含む)、
シューツリーは底面がフラットであるにもかかわらずこの部分の厚さは約38㎜。
高さの差が6㎜ということは、単純計算で足囲は20㎜ほどの差になるということになり、たとえばウィズのEと2Eの足囲の差が6㎜、Eと3Eの差が12㎜、Eと4Eの差が18㎜なので、乱暴なたとえですがウィズEの靴に4Eのシューツリーを突っ込むということになってしまいます。
向かって左は、このシューツリーの企画を始める前に私がAmazonで購入したシューツリーで、削る練習に使いました。
こちらの写真では、サイズがどちらも39というものですが、左側のものはおおよその形に削ってあります。
2つを比べてみると、甲の立ち上がりのラインが全く違っていて、
これと、
これは、パッと見ても違うってわかりますよね。
なので、シューツリーを靴に入れる時にはその靴専用のものを購入するか、もしくは靴に合うように削る、もしくは削ってもらうのが良いのです。
なので、たまにはご自分でやってみても良いのではと思い、削る時のポイントと必要な工具をお伝えします。
ポイントは、先ほどお伝えした通り甲の立ち上がり部分が靴を押し上げないようにすることと、
この部分が実際の靴よりも膨らんでいるケースが多いので、この部分を少し直線的に削ってあげると良いでしょう。
シューツリーを削る時に使うヤスリですが、私はグラインダーを使うこともありますが、手で削る時にはこんなものを使っています。
けっこう目が粗い金属のヤスリで、左側のヤツの反対側はもう少し目が細かいヤスリになっており、右側のヤスリは・・・、
このようなかまぼこ型になっています。
どんな形に削ればよいのかが初めはイマイチわからないと思いますので、まず1足分だけ私たちのところで購入し、2足目以降はご自分でお休みの日に削ってみるというのも良いかもしれません。
実際に賢くそうされている方もいらっしゃいます。
もしくは、削るのが面倒な場合や若干心配な場合は私どもにご依頼ください。
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