今日は午後から、ご注文を頂いたお客様のラストの調整をしました。 改めて考えると、靴づくりは例えるならば建物を作るようなもので、まずしっかりとコンセプトを決め、測量(計測)をし、設計(パターン)を仕上げ、製作に入ります。 その製作においては、前工程の正確さが非常に重要で、ひとつの工程でいい加減な仕事をするとそれ以降の工程ではリカバーすることができず、だんだん歪みが大きくなってしまいます。 なので、すべての工程が非常に重要であることは疑いのないことであるものの、ことさら初めのほうの工程においては精度が要求されるのです。 こちらは、あるお客様の計測のデータです。 このお客様は、すでに何足かご注文いただいている方ですが、それ以前は既製品の靴を履いていらっしゃいました。 また、こちらは別のお客様の計測のデータです。 どちらのお客様も、少し前までは既製品の靴を履いていらっしゃったわけで、既製品においてはある程度のフィッティング(幅)の選択肢はあるものの、かなり制約されてしまうのが現状です。 というのも、上のお客様は足の幅が広い割にはカカトが細いので、幅広の靴を選べばカカトの収まりが悪く、標準サイズの靴を選べばカカトは良いけれど足の前のほうが窮屈になります。 下のお客様は、何となく全体のバランスが良いようにも見えますが実際にはちょっと問題があって、足長の割にはカカトが大きめで、さらには小指の付け根部分と親指の先が少し張っています。 ですが、足の幅からすると甲がやや低めで、それでもこのお客様は標準の幅の靴をちょっときついと言いながら履いていらっしゃいました。 いつもお伝えしているように、私たちの足の長さや幅、厚さ、形、バランスは本当にそれぞれであるのに、大多数を占める既製品では長さのみの選択か、良くてもジョイント(屈曲点)の足囲を表すEの数程度しか選べません。 皆さんきっと気付いていないと思いますが、多くの方が先に掲載したのお客様のように、標準のバランスとはだいぶかけ離れた足をされているのです。 本当は、足の長さ、ジョイントの足囲の数値、そして甲周りの数値とカカトの形状くらい合わせることができるともっと快適に履いていただけるようになります。 特にカカトのフィッティングは、ちゃんと歩くための基本と言っても過言ではないのに、思いのほか気にかけていただいていないように感じます。 気になった方は、ぜひ一度専門家に足の計測をしてもらって、ご自身の足の特徴を確認しておくのが良いと思います。 それだけでも知っているのと知らないのとでは、大きな差となります。 快適に過ごすための正しい靴選び、そしてそのための正しい知識を備えておきましょう。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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