余談ですが、私が今乗っているクルマはあと数日で10年を迎えます。
2016年型のフォルクスワーゲンゴルフなのですが、こんなに永いこと乗るとは全く思っていませんでした。
でも、いざ乗ってみると思いのほか車体がしっかりしていて長距離のドライブもこなせるし、荷物もたくさん積めるし、私の使い方にちょうど良かったのかもしれません。
クルマのボディの剛性は意識しなくてもなんとなく伝わるもので、剛性が低いと(シートとの相性もありますが)身体や頭がゆすられて疲れてしまうように思います。
逆に、剛性が高くてクルマ自体がしっかりしていると(もちろんそれだけが理由ではないと思いますが)、サスペンションがしっかりと動いてくれたり、変な揺れが伝わってこなかったりで、意外と疲れが少ないと感じています。
じつは、クルマと靴は全然違うものですが、人間を乗せて移動するという点では似ているところがあって、その中での剛性という点においては何かと近い考え方ができるのではないかと思っています。
というのも、人の足には26個の骨があり、それらは多数の関節によってつながっています。
その中には、足首のように大きく動く関節もあれば、足根骨同士のように可動域が非常に小さく、強固に組み合わさった関節もあります。
これらの関節は足のアーチ構造を形成し、歩行時に地面から伝わる衝撃を受け止める「土台」として働いています。
つまり、足は単なる柔らかい構造ではなく、ある程度の剛性を持った構造体として機能しているのです。
しかし靴底が柔らかすぎたり、靴全体の剛性が不足している場合、この構造を足自身が支え続けることになります。
その結果、足の筋肉や関節が余分に働くことになり、長時間歩いたときの疲労につながります。
一方、革靴のようにシャンクなどによって適度な剛性が与えられた靴は、足のアーチ構造を外側から支える役割を果たします。
靴の底まわりがしっかりと支えてくれることで、歩行時の力の流れが安定し、足の構造に無理な負担をかけにくくなります。
靴底がしっかりしていると「硬くて疲れそう」と思われることがありますが、実際には逆で、足の構造と靴の構造がうまく役割を分担することで、歩行はむしろ楽になります。
靴の剛性には、単に硬いだけではなく、足の構造を助けるための意味があるのです。

こちらは私たちシューリパブリックの工房にあるギブソンブーツのサンプルですが、こうして靴の底周りを見てみると、土踏まずの周辺もしっかりと幅を持たせていることがわかります。

この私が指さしている部分は特にねじれ剛性を確保するためにいくつもの補強を入れており、一般的な靴のつくりに比べてよりねじれの強度が上がっています。
ねじれ剛性は靴を快適に履いていただくためのひとつの要素に過ぎませんが、そのような構造の積み重ねで快適に歩いていただけるような靴になっています。
今日は3月11日。
15年前のあの日に職場で被災し、自宅まで歩いて帰ったという方もたくさんいらっしゃることと思います。
私たちのお客様の中にもそのような方がたくさんいらっしゃって、後日この靴のおかげでとっても快適に歩いて帰ることができたというご連絡をいただきました。
もしものために普段から歩ける靴を履いていただくことも必要ですが、さらに進めてそれよりも常に快適に歩ける靴を履いてストレスの少ない毎日を過ごしていただきたいと思います。

ギブソンブーツ、格好良いですし。
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