この「履き込む」ということと「馴染ませる」ということでは、若干のニュアンスの違いがあると思っています。
馴染ませるというのは、靴が足にフィットしていくことや革が柔らかくなるというイメージで、ひとことでいうのなら違和感を無くして調和させるという意味なのに対して、
履き込むというのは、ある程度の意志や覚悟をもってそこそこ長い時間をかけて自分の足の形に落ち着くように関係を気付いていくような意味だと思っています。
なので、革靴は履き込むものなのです。
少し履いて痛くならなくなった程度では、まだまだ革靴との関係が築けていませんし、革靴の方もあなたのことを十分に受け入れてくれていないのです。

こちらは、私が今日履いていたチャッカブーツです。
この靴は、完成したのが2018年の11月頃だったと思うのですが、履き始めて7年ほどが経ちました。
だいたい出張の時は履いて行くことが多いですし、お休みの日でも月に1~2回は履いているので、まぁまぁ履き込んでいるのではないかと思っています。
このチャッカブーツのタンは、私の足首の形に合うようにこんな形になっています。

たとえばつま先を持ち上げた時に新しい靴だとタンが足首に刺さるように当たりますが、これだけ履き込んでいると全くそのようなことはありません。

というか、靴ヒモを締めてハネを閉じると、靴はもうほとんど私の足の形になるのです。
なので、今となってはもう何の不自由もなくこのチャッカブーツを履いていますが、この靴の革は結構硬いので初めのうちはとにかく馴染ませるのが大変でした。
じつは、靴屋の立場から言うと、靴は履き込んでほしいと思っていますし、そのために履き込める靴を履いてほしいと思っています。
初めのうちは革が硬くて、どこか当たるところがあったり擦れることもそりゃあります(ないのが理想ですが)。
靴を履き込むためには、ある程度は丈夫で硬い革で硬い作りである必要があります。
その上で、時には必要に応じて再調整もしたりしながら履き込んでいくのです。
そして、履き込んでいくといつの間にか靴は足に合った硬いシェルケースのようになり、なくてはならない相棒になっています。
そうなってしまえば、カカトやソールの補修はあるもののずっと永く付き合っていけるのです。
今日履き始めて今日から快適に履けるような柔らかい靴も良いですが、いわゆるイギリス靴のように履き込んでストレスなく履けるようになって永く付き合える靴の心地よさも、ぜひ一度体験していただきたいと思っています。
明日は材料に仕入れに行く予定です。
何やらオモシロイ革があるとのことで、ちょっと期待しています。
仕入れてきた革は、明日のブログでご案内する予定ですので、ぜひお楽しみに。
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