作り手だからわかること

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靴づくりを永いことやっていると、靴を作る上でのニュアンスのようなものを感じ取れるようになってきます。

特に、靴を作る際に使う素材に関しては顕著に感じます。

時々、ダイナイトソールは黒とこげ茶を扱っていますが、黒よりもこげ茶の方がほんの少しだけ柔らかく触った感じはこげ茶の方が粘っこい印象だったり、

栃木レザーのヌメ革をインソールに使っていますが、部位によって繊維の密度が違っていて、単に厚さだけではない硬さがあったりします。

もっと違いを感じるのはアッパーに使う革です。

何とかという有名ブランドの革も使えば、有名ではないけれどそこそこ高い革も使いますし、スウェードも使えばヌバックも使います。

みなさんがご存知のような有名ブランドの革は、確かに見栄えはとっても良くて間違いないと言えますが、あまり有名ではなく価格もそこまで高価ではない革でも引けを取らないようなものもあります。

単に仕上がりだけの話ではなく、長期に亘って靴を履き込んだ時の雰囲気が良さそうなものもあれば、とっても繊細で大切に扱う必要がある革もあります。

とにかく、革の性格は皆それぞれ大きく異なり、レーダーチャートで表せば全く違うものになるはずです。

そんな中で、良いところもちょっと足りないところも含めて作り手の私が皆さんに是非とお薦めしたい革があります。

それがこちら。

ELBAMATT

Tempesti社のELBAMATT 1.8mm厚の#nero(黒)です。

この革は、写真で見ただけではいまいちパッとしませんし、見方によっては普通の黒い革に見えてしまうかもしれません。

でも、この革は違うのです。

すでに何足も作っていますが、この革は違います。

ELBAMATT

いつものようにシワの入り方を確認してみると、革の部位としてはバットという牛の身体の部位の中でお尻周りと背中のみを使っていて、ほかの部分を切り落としたいわゆるイイとこ取りの革なのですが、たぶん写真からはそんなことは伝わらないでしょう。

ELBAMATT

ELBAMATT

革の厚みは1.8㎜というところも非常に大切なポイントなのですが、やっぱりそんなことも見ただけではわかりません。

じゃぁ、何がそんなに優れているのかというと、実際に作った靴をご覧ください。

ELBAMATT

工房にお越しいただいたことがある方なら、あのギブソンブーツねという感じですぐにお分かりになると思います。

このギブソンブーツに使っている革です。

ELBAMATT

靴になると、仕上げで少しツヤも出てちょっとくらいは見栄えが良くなりますが、やっぱりそれではないのです。

ズバリ言います。

この革の素晴らしいところは、あくまでも私の主観的な好みが大部分を占めていて多少クセの強さもあるのですが、

ラスティングの際に適度に弾力があって適度にハリがあり、適度に伸びてくれる素材であり、しっかりと時間をかけて成形すると人間の足をホールドするのに十分な強度を持つ靴になり、

初めのうちはちょっと硬いけれどある程度馴染んでくると全くストレスを感じない足袋のような履き心地になるのです。

他の革ではこの履き心地が出せないかというと、厳密に言うと難しいかもしれません。

ただ、靴としてはやや硬めなのでどなたにも適しているかというとそういうわけではなく、華奢な足をされている方にはちょっとヘヴィだったり、すごく足の力が強い方にはちょっと物足りないということもあります。

ですが、ある程度はセッティング次第でカバーできるかもしれません。

そして、ではこの革を使ってどんな靴を作ればこの革のすばらしさを感じられるのかというところですが、私が思うところではギブソンブーツかチャッカブーツです。

その条件に該当する靴は、このサンプルのほかには2足だけ作っていまして、お客様には詳しいことはお伝えしていませんが、大変気に入って履いてくださっているようです。

革がこんな感じのものなので、コッテコテのビジネスシューズという雰囲気ではありませんが、キレイな雰囲気のカジュアルの服に合わせる靴としては非常に適しています。

その辺りも含めて、作り手としてすごく良いと思うのでぜひ試してみてくださる方がいらっしゃれば、今回は3足だげの限定でちょっと手の込んだ仕様で作らせていただきます。

価格はハンドソーンウェルテッド標準仕様と同じで、デザインは、お伝えしました通りギブソンブーツかチャッカブーツです。

受けて立とうという方、ぜひご連絡をお待ちしています。

★★★お知らせ★★★

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★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。