先日このブログでお伝えしましたが、以前は若干怪しいと言われつつ最近では急成長が話題になっている中国の通販サイトTemuでシューツリーを購入しました。
その価格なんと1足当たり1750円。
これってちゃんと使えるのか、靴に合わせて削ってみたらどうなるのかということを検証するために、私たちシューリパブリックの工房にあるサンプルに合わせて削ってみました。
そもそもどうしてシューツリーを削るのかということですが、既製品のシューツリーの形状は靴屋からするととんでもなくひどい形をしていまして、そのまま使うとわざわざフィッティングを向上させるために薄く作ってある親指の付け根あたりを押し広げてしまい、フィッティングを悪化させてしまう可能性が高いのです。
靴メーカーが販売している靴にピッタリなシューツリーと比べると、かなり形状が違うことがわかると思います。
そのため、市販のシューツリーをちゃんと使うには、靴を良い状態に保てるような形状に削ってあげることが必要になります。
まずこちらが元々の形状です。
ラストと比べると結構違います。
ラストってじつは結構薄く作られていまして、特に親指の付け根あたりは意識して薄くしてあり、横から見るとこんな感じ。
対するこのシューツリーは、けっこう厚いですよね。
並べて比べると結構違います。
これは単にこの部分の厚さを揃えればよいというわけではなく、
これは削りあがったものですが、ラストとシューツリーの底面の形状が全く異なるため、赤いペンの部分とオレンジのペンの部分が靴の中で接地すると想定して、この状態で甲の形状がラストとシューツリーと同じになるようにしてあげることが理想です。
削る前に戻りまして、今回削って調整する部分は、まず最も大切な親指の付け根のあたりと、
甲の内側、
そして同じく甲の外側。
こうしてラストと比べてみると、小指のあたりのラインも全く異なりますのでこのあたりも削ります。
親指側も然り。
土踏まずの部分も当たるので削ります。
そして、先ほどオレンジのペンの上に乗っていたあたりも削ってあげないと当たってしまいます。
写真はありませんが、先ほどの写真の赤いペンのあたりも底面を削ります。
そんな感じで削りあがったのがこちら。
まぁまぁラストに近い雰囲気になりました。
この部分は、ラストは底面が厚くなっているのに対しシューツリーの底面はほぼ平らなため、数値で見るとかなり薄くなっています。
削りあがったシューツリーを靴に入れてみたところ、なかなか良い感じにフィットしています。
この部分を押し上げることもありません。
おそらく多くの方が靴を見ることはあってもラストを見ることは少ないと思います。
靴とラストの形は同じではなく、ラストにインソールやボトムフィラー、ソールなどの厚さを加えたものが靴の厚さであり、ラストだけを見ると非常に薄いわけで、同様にシューツリーも薄くあるべきなのです。
市販のもの(削る前の形状)と比べると、全く違うことがわかりますよね。
この作業を皆さんにやっていただくとけっこう大変なので、これは私たちが担当します。
シューリパブリックのお客様で、もしシューツリーが必要という方がいらっしゃればその旨お知らせください。
もしくは、ポイントはお伝えしてありますので、自信のある方はシューツリー削りにチャレンジしてみても良いかもしれませんね。
レッドシダーは比較的削りやすい素材だと思います。
★★★お知らせ★★★
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