昔のイギリスの靴を見て思うこと

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余談ですが、半月くらい前に髪を切りに行った時に美容師さんから聞いたのが、来年の7月5日に巨大な隕石が地球に落ちて大きな災害になるということを予想している人がいるということ。

私はあまりそういう都市伝説的な話を信用しないのですが、オモシロそうなので帰宅してから調べてみたところ、けっこうな話題になっていました。

むしろ知らなかった私の方がレアなケースだったのかもしれません。

正直なところ、本当はどうなのかは私にはわかりませんし、もしかしたら隕石が本当に地球に衝突することがわかっているけれど、そのことを公表していないだけかもしれません。

わからないものはいくら考えてもわからないので、私はその時が来るまで忘れていることにします。

それでふと思い出したのが、10年くらい前に読んだ伊坂幸太郎さんの「週末のフール」です。

この小説をご存知でしょうか?

ザックリと話してしまうと、8年後に隕石が地球に衝突すると発表されてから5年が経った時の仙台北部のヒルズタウンに住む人々の話です。

一部ネタバレになってしまいますが、3年後には隕石が落ちてきて人類が滅亡してしまうことが明白なのに、人々は思いのほか落ち着いていたのがとっても印象的でした。

もし本当に7月5日に隕石が落ちてきて大変な事になるのだとしたら、皆さんどうしますか?

私が週末のフールを読んだ頃は、あくまでも小説の中の話であって全然現実のものとして捉えられなかったので、もう毎日おいしいものを食べたり欲しいものを買ったりするのだろうと思ったのですが、今回の7月5日の隕石の話を聞いて、これがもし本当だったとしてもそんな特別なことをしたいとは思わず、これまでと同じように普通に過ごしていたいと思ったのです。

食卓を囲んで家族と普通に話をして、ほんのちょっとだけおいしいものを食べて、ほんのちょっとだけ着たい服を着て履きたい靴を履いて、機会があれば行きたいところに行ってみて、でもそれはこれまでからしたら普通の範囲で。

それで思い出したのが、Eテレで放送しているはなかっぱの中で、彼らが住むやまびこ村に隕石が落ちてくることがわかった時に、おじいちゃんとおばあちゃんがどこにも逃げずに村と運命を共にすることを決めたという話でした。

よくわからないけれど、もしかしたら本当の幸せは普段の日々の中にあって、それがほんの少しだけアップグレードされるともうそれだけでとっても幸せなのかもしれません。

さて、今日夕食の後に家族とともに昔の写真を見ていたら、13年近く前に用事があってイギリスに行った時の写真が出てきました。

その際にノーサンプトンにあるノーサンプトンミュージアムという、主に靴を展示している博物館で撮ったものがあって、今日はぜひその写真をご覧になってください。

ノーサンプトンミュージアムにて

ノーサンプトンミュージアムは街のほぼ中心にあり、バスセンターからも比較的近いところにあります。

ノーサンプトンミュージアムにて

こちらは、オックスフォードシューズをバラしたところのイラストですが、本当にこんなふうに作っていたのだとすると今の作り方の方がとっても丁寧だということになります。

ノーサンプトンミュージアムにて

1940年頃のオックスフォード。

おおよその作りはもうすでに完成しているようです。

この靴に限らす、古い靴のアイレットは表から打っているものが多いようです。

ノーサンプトンミュージアムにて

これは古い機械ですね。

だし縫いの機械です。

ノーサンプトンミュージアムにて

そして、こちらはスカイヴィング(漉き)の機械です。

どちらも古いのですが、基本的な構造は今のものとほとんど変わっていないのがすごいところ。

このスカイヴィングの機械なんて、私が持っているニッピ―の機械とほとんど同じというか、この機械の方が上下送りのようなので丁寧な作りになっているのではないかと思うほどです。

こういう機械を見ると、もうかなり昔から今の靴づくりとほとんど変わらないものが完成していたことがわかります。

靴って、作り方などで今でも基本的に変わらないところも多いですが、世の中が大きく変わって、人々の生活スタイルや身体のつくりも結構変わっているので、当然ながら靴も履く人や環境に合わせてアップデートするべきところがたくさんあります。

人の身体って甘やかしてしまうとどんどんポテンシャルが落ちてしまうものですし、反面厳しくしすぎてもなかなか大変なわけです。

ちょうど良い塩梅にチューニングしてあげる靴が、今の時代に必要なのだと思っています。


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