先日、お客様のTさんからお預かりしてオールソール+ウェルト交換の修理を進めているチャッカブーツです。

旧いソールを取り外し、見えない部分にセットされているシャンクやボトムフィラー、そして旧いウェルトも取り外し、新たにウェルトを縫い付けて新しいシャンクやボトムフィラーをセットし、そして新しいソールを取り付けたところです。
今回のメニューでは、元々シングルソールだったものをセミダブルソールに変更したいとのことで、以前よりも少しソールが厚くなっています。
オールソール交換修理のタイミングで、このような仕様変更をすることは全く問題ナシ。
このあとだし縫いをかけて、ヒールを取り付け、その後の工程を終えたら完成となります。
と言っても、まだ少し時間はかかりますが。
初めてのオールソール交換の時にウェルトも一緒に交換するのは、私たちシューリパブリックがお勧めしていることであり、それにはちゃんと理由があります。
それは、ハンドソーンウェルテッドの靴の場合、新しい状態から履き込んでいくとインソールの裏側に加工されているリブというパーツがどうしても少しだけ痩せてしまい、このリブはウェルトを縫い付けている部分なので、結果としてウェルトを縫っている糸にわずかながらゆるみが発生してしまうためです。
オールソール交換をするタイミングは、少なくともある程度履き込んでいるタイミングであり、インソールも馴染んできていてもうそれ以上は痩せることがないタイミングなので、このタイミングでウェルトを縫い直すことで今後はもうこれ以上ウェルトが緩むことなく履いていただけるということでお勧めしています。

ところで、オールソール交換をするとその靴がどんな状況で履かれているのかがよくわかります。
休ませることなく無理して履いている場合や、休ませていても環境があまり良くないような場合は、インソールが硬化していて、最悪の場合もうボロボロになってしまっていてウェルトを縫い付けることができないというケースもあります。
修理しながらずっと履けるのがウェルテッドの靴じゃないですか!というご意見もあるかもしれませんが、それ以前に修理もできないような状態になってしまっていては、手の施しようがありません。
そうならないように、普段から靴の状態をしっかりと確認してください。
靴の中を覗き込んで、インソールでもインソック(中敷き)が敷かれていない、直接足に触れる部分の色を確認していただいて、薄ピンクや薄ベージュよりも濃くなっていたら要注意、こげ茶や黒っぽくなっているのは危険信号です。
特に、夏場は汗をかくことが多くなるので、靴の中を十分に乾燥させてあげるように気を付けてください。
私たちシューリパブリックは、お盆期間中も通常営業ですので、この期間に修理をしておきたいという方はその旨お知らせください。
直接持ってくるのが大変な場合は、お送りいただいても結構です。
★★★お知らせ★★★
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