今日、お客様のYさんからカカトのトップピース交換修理のためにこちらの靴をお預かりしました。

5年くらい前に完成したチャッカブーツで、Yさんは大変気に入って履いてくださっているとのこと。

嬉しい限りです。

カカトのトップピースがなかなかイイ感じにすり減っていて、ちょうど交換のタイミングです。

ただ、じつは私がもうひとつ気になったところがありまして、それがこちら。

つま先周辺のコバのインクが完全に剥がれて、さらにウェルトも結構ダメージを受けているところ。

というのも、ウェルトの革の素材はタンニン鞣しの革であり、そんなウェルトにインクを塗るのは耐久性を高める目的もあるのです。

アッパーの革に塗る靴クリームと異なり、コバに塗るコバインクはロウの成分も入っていますがそのほかに樹脂の成分も入っていて、しっかりとウェルトのコバを守るようになっています。

そのインクが剝がれてしまうと、ウェルトは劣化し、さらに劣化が進めばひび割れてボロボロになってしまうことも考えられます。

そんなわけで、まずはカカトのトップピースの修理からやってしまいますが、

こちらのトップピースを取り付けます。

もう一瞬にして貼り付けて削り終わりました。

カカト周りを削るついでに、コバをぐるりと一周キレイに整えまして、

コバ全体にインクを塗ってキレイに仕上げました。

もちろんキレイに削りなおしたつま先にもインクを塗って、キレイに仕上がりました。

コバインクは、アッパー用の靴クリームでは代用できませんので、ご自宅で塗るのであれば専用のコバインクを購入していただくか、カカトのトップピース交換のついでにお持ちいただければ一緒にキレイに仕上げさせていただきます。

 

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