私が靴の勉強をしたのは、もう今から20年以上も前で、イギリスのノーサンプトンにあるテクニカルカレッジでした。 それまでは、まったく靴の世界に足を踏み入れたことがありませんでしたので、イギリスで習ったことが私の靴の基礎になっています。 その後、日本に帰ってきて靴のメーカーで働きましたが、改めて感じたのは、 イギリスの靴は非常に論理的かつ合理的に作られているということです。 日本では、結構な数の靴メーカーで働きましたが、多少の違いはあれども日本の靴は良くも悪くも日本らしく、 イギリスの靴は、やはり良くも悪くもイギリスらしいということを実感しました。 イギリスでは、おそらく昔から文化として受け継がれているのだと思いますが、 良いものを買って、それを永く使い続けるのが普通です。 壊れたら修理をして、また使います。 なので、イギリスのものは靴を含めて修理することを前提に作られていて、なおかつ修理してでも使いたいと思えるものです。 永く使うのですから、飽きの来ないシンプルなモノが多く、 当然に、基幹部分は非常にしっかりと作られています。 家だって、修理をしながら永く使いますし、クルマだってかなり古いものが普通に使われています。 かと思うと、イギリスは思いのほかアヴァンギャルドな一面があって、 新しいものを受け入れる気質があるようです。 さらに、好きなものに対してはかなり針が振れていて、情熱の注ぎ方には大きな違いがあるのを感じました。 そんなイギリスで、きっとこれはかなり振れた人が作ったんだろうなぁと思うのが、イギリス靴です。 例えばこの部分。 tabというのですが、この位置は非常に重要であり履きやすさや靴の耐久性に直接影響を及ぼすポイントです。 その位置を、イギリス靴では決められた方法でピタリと出すことができます。 こんな3次元のラストなのにです。 このくるぶしの高さも、ちゃんと数値が決まっています。 決まっているだけではなく、どこから何ミリのところが最も低くなり、その部分の高さは何ミリというように決まっているのです。 靴の履き口の大きさも、数値で決まっています。 数値で決まっていれば、その数値から導き出されるとおりにラインを引けば正しい靴ができるわけで、 さらに言えば、決められたとおりにパターンを作れば、理想的な靴になるわけです。 それらすべてに論理的な裏付けがあり、変に斬新さを狙って適当なラインで靴を作ることもなく、 それではつまらないものしかできないなんて思うかもしれませんが、 手を加えるのであれば、ちゃんと理論を理解したうえでできるわけですから、 結果的におかしなことになってしまうというリスクはないのです。 でも私は、靴は人があって、服があって、その次に来るものだと思っていますので、 そんなに目立つ必要はなく、とっぴなものである必要もなく、 もし必要ならそういうものを作っても良いのですが、 基本的にはベーシックでロジカルなイギリス靴を作っていきたいと思っています。 ★★★お知らせ★★★ 【 お知らせ1 】 シューリパブリック15周年記念モデル第1弾及び第2弾ともに引き続きオーダー受付中です。詳しくはこちらをご参照ください。 【 お知らせ2 】 2019年1月のご注文分より、靴の価格を改定させていただきます。靴本体の価格が、103,680円(税込)となります。 【 お知らせ3 】 イベントなどの予定は、ホームページトップの下の方のスケジュールをご覧ください。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは info@shoe-republic.com です。
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■ 高山純一 ■ Shoe Republic の代表及びクリエーターとして靴の製作を担当しています。 |
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