履き口を守る

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先日、あるお客様からカカトのトップピース交換修理のご依頼をいただきまして、そのついでにちょっとした質問をお受けしました。

それは、普段から履いている靴の履き口のところに亀裂が入ってしまっているけれど、どうして入ってしまったのかということでした。

その靴がこちら。

履き口亀裂

写真だと見にくいかもしれませんが、触ってみると確かに小さい亀裂が入っています。

これはおそらく脱ぎ履きの時、特に履くときに靴ヒモを緩めるのが不十分だったことで、この部分にムリがかかったのではないかと推測します。

このお客様は、靴を履くときにはちゃんと靴ベラを使っているとのことでしたので、靴ベラ問題ではなさそうです。

いずれにしても、脱ぐときや履くときに負担がかかっているということは間違いなさそうですので、今後はこの部分に負担がかからないようにしっかりと靴ヒモを緩めて脱ぎ履きしていただきたいと思います。

ちなみに、こうなってしまった場合の対策としては、亀裂がまだ浅いうちは#500番くらいのサンドペーパーで亀裂部分の表面をサッと削り落とし、黒いクリームなどを塗っておくという方法があります。

ただ、亀裂が深くなってしまったらその手は使えません。

以前にご紹介した屈曲部分の亀裂の時もそうでしたが、革は亀裂が入ってしまうと物理的に補修するのが非常に困難です。

だいたい、亀裂が入る部分は力がかかるか折れ曲がるかなど、革が動く部分なので樹脂のパテなどで補修することが難しいのです。

なので、100歩譲って補修するのならパッチということになります。

でも、一番良いのはそうならないように日頃から気を付けること。

扱い方で亀裂が入ってしまうことを知っておくこと。

適度にメンテナンスをすれば亀裂が入りにくくなるということをっ知っておくことが大切です。

カカトのトップピース交換修理は、問題なく完了しました。

 

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