質問!捨て寸について教えて

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じつは、今日突然来店された方がいらっしゃって、その時は作業中で特にお客様もいらっしゃらなかったのでバタバタになりましたが対応させていただきました。

そういうケースも時々あるので、可能であれば対応させていただいています。

そのお客様は、足がかなり大変な外反母趾であり、完全に第2指が第1指の上に乗ってしまっている状態で、普段に履ける靴が欲しいとのことでお越しくださったようでした。

思い当たる原因をうかがってみると、昔若い頃にパンプスをよく履いていてそれが原因ではないかとのこと。

確かによくある原因のひとつで、ムリしてつま先が細くカカトの高いパンプスを日々履いていると、外反母趾になってしまうケースもあります。

そんな状態なので、靴屋としては靴でどうこうするよりもまずはお医者に行って相談した方が良いとお伝えしたのでした。

また、これまで靴の経緯をうかがってみたところ、地元では知れているウォーキングシューズのお店で中敷きと靴を選んでいただいたことも何度かあったそうですが、靴が重くてなかなか良い結果につながらなかったとおっしゃっていました。

そんなことなので、私たちシューリパブリックの靴はそれよりももっとずっと重いのでお勧めできませんでした。

また、普段履いていらっしゃる靴に関してうかがったところ、普段はスニーカーが多いとのこと。

今日もスニーカーを履いていらっしゃいました。

そこで、今日のテーマです。

Q
捨て寸はどのくらい必要なのでしょうか。
A

そのお客様の状態ですが、パッと見たところ、なんとなくつま先がきつそうでした。

つま先を確認させていただいたら、完全に靴のつま先まで指が来ていて、つまり捨て寸ゼロでした。

捨て寸とは、靴を履いた時に指先にできる空間のこと。

靴は歩くときにわずかに指が前にズレることや、つま先がどこかにぶつかった時でもケガをしないために、必ず捨て寸を設けるようになっています。

これはスニーカーでも同じです(クライミングなどの競技は別です)。

そのお客様が履いていらっしゃったスニーカーは、つま先がやや細くなった形をしていて、そのうえで完全につま先まで指が来ていたら、仮に若い頃にパンプスを履いていなくても外反母趾になって第2指が第1指の上に乗ってしまっても不思議ではありません。

そのお客様に、スニーカーでも捨て寸が必要なことと、おおよその靴のサイズ選びに関してご説明させていただきました。

「つま先に隙間があったら、足が動いてしまうでしょう?」

とおっしゃっていて、おそらく昔から靴のフィッティングはそういうものと思っていらっしゃったのかもしれません。

さて、靴の捨て寸ですが、私たちシューリパブリックでは男性用の靴ではだいたい1インチほどの捨て寸を設けるようなサイズで靴を製作しています。

捨て寸

こちらは、size7 1/2というサイズのラストです。

形状の関係でややつま先が長めのラストなのですが、実際にラストの長さを測ってみたところ、

捨て寸

だいたい288㎜くらいでした。

私たちシューリパブリックでは、size7 1/2のラストを使うのは、これは足の形状にもよりますが標準的な形状の方でだいたい250㎜から255㎜くらいの足長の方です。

もちろん足先の形でうまくハマってしまう場合なら258㎜くらいでもこのサイズで対応することもありますし、その逆のケースもあります。

参考までに、足の幅が広い方には、3Eとか4Eとかさらにもっと幅広のラストをベースに削ったり肉付けしたりしますし、細い方の場合はEとかDなどというラストを元に削ったり肉付けしたりします。

足の幅に関しては適切なウィズのラストをベースに調整させていただき、捨て寸に関しては指先の形を参考にしながら必要な数値を確保しています。

捨て寸は、ありすぎても良くないしなさ過ぎても良くないので、ちょうど良いところで快適に履いていただけるようにしています。

捨て寸

そうすると、靴のつま先の方は数センチの捨て寸ができます。

一般的にイギリス靴は捨て寸1インチと言われていて、だいたい25㎜くらいの捨て寸が標準となります(男性用の靴の場合)。

繰り返しになりますが、この写真のラストは標準よりも若干ノーズが長いタイプなので捨て寸は大きめになり、ラストのサイズ選びは足の形との兼ね合いで他のラストとは異なるケースもあります。

理想的なフィッティングは、甲とカカトがしっかりとホールドされて、そのうえで指先がある程度自由に動かせること。

既製品でこの条件を満たすのはなかなか難しいかもしれませんが、捨て寸を含めて正しいサイズ選びを知っておいていただけると良いでしょう。

お知らせ

★オーダーメイド靴をご注文の際には、事前にご予約をいただいたうえでお越しいただいております。

★私たちの工房のスケジュールはこちらをご参照下さい。

★打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。

★地元のコミュニティバスのご案内をアクセスのページに追加しました。日曜日は運休です。

★ご検討中の方は、見学も大歓迎です。