靴を修理するときの注意ポイント

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あるお客様からオールソール交換+ウェルト交換で靴をお預かりしたのですが、靴をバラしてみるとその靴は以前にどこかの修理屋さんで一度オールソール交換をされたようでした。

リペア
 

上の写真は、ソールを取り外しボトムフィラーやシャンクを取り外して、これからウェルトを取り外そうというタイミングのものです。

基本的にどこでオールソール交換をしていただいても、ちゃんときれいに修理をしていただければ良いのですが、じつは私たちシューリパブリックの靴は言ってみればなかなか特殊な作りをしていまして、今回お預かりした靴もあるパーツがついていなかったり、あるパーツは違う厚さのものがついていたりということがありまして、これは正しくお伝えしないといけないと思ったのでした。

たとえば、靴の見えない部分に入っているコルクのボトムフィラーに関しましては、基本的に6㎜厚のものを入れて端の部分をキレイなカーブになるように削って整えていますが、今回開けてみたら2㎜厚のコルクが入っていまして、全体的にセッティングが全く違うものになっていました。

また、衝撃緩衝の為のパーツが入っていなかったり、クギを10本打ってしっかりと強度を出すべきところに5本しか打っていなくて、それも長さが全然足りない釘だったなど、細かいことを言ってしまうとキリがありません。

過去には、靴の剛性を確保するためにこれまた見えない部分に入れている硬い革がありまして、それは修理の過程でどうしても折り曲げて剥がさないといけないのですが、革の特性上折り曲げてしまうとクタクタになってしまうため再使用不可であるにもかかわらず、それがそのまま使われていたこともありました。

もちろん修理屋さんは良い仕事をしようとしている方たちばかりなので、悪意があるとは思っていませんが、そのパーツがどうしても入手できなかったり、なぜそこにそのパーツが入っているのかを知らなかったりすると、組み上げる時に省略されてしまうこともあったりします。

じつは、これまでにどこかの修理屋さんでオールソール交換をされたことのある靴をお預かりしたことが何度かありますが、それらはすべて上記のような問題があって、本来のポテンシャルを出せていませんでした。

見えない部分なのでキレイに仕上がっていれば全くわからないことかもしれませんが、履いて歩けば必ず違和感を感じるはずです。

そんなわけで、本当に細かいことではありますが履き心地にこだわるのであればオールソール交換の修理は私どものところにお持ちいただくか、もしくはお送りいただければと思います。

リペア

こちらの写真は、ウェルトも取り外したところです。

そうそう、書き忘れましたが私どもで製作した靴なので、お客様のラストを入れて修理をするので、変に型崩れをすることもないのがもうひとつのメリットですね。

ちなみに、カカトのトップピースを交換する程度の修理なら、同じパーツを使って修理ができればどこの修理屋さんでやっていただいても全く問題ありません。



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