■ VOICE vol.05-004(発行:2005/08/18)
【フィッティング】
靴選びは、当たり前のことですが、デザインとフィッティングの両方の条件をクリアしたものがベストです。

デザインが気に入って買っても足に合わない靴は結局履かなくなってしまいます。また、デザインが気に入らない靴は、店頭で手に取ることすらないでしょう。そう考えると、フィッティングは靴の良し悪しを左右する非常に大切な要素のひとつということになります。靴を選ぶ側においても、また靴を作る側においてもこれは同じことです。

簡単に言えば、どんなにすばらしいと言われる靴でも、履く人の足に合っていなければその人にとっての良い靴にはなりません。

ということで、今回は私達がフィッティングの際に気を付けていることとフィッティングの目安、そして皆さんが靴を買うときに参考にしていただきたいことを、Shoe Republicの考えと交えてお伝えします。

私達は、靴のご注文をされたお客様の足を採寸します。測るのは、足囲足の輪郭です。もし、お客様が(そんなことはありませんが)金属でできたロボットだったら、採寸はこれだけで終了です。しかし、実際のお客様は(当然ですが)人間なので、そのほかに非常に多くの情報が必要になります。その人は、痩せているのか太っているのか、むくみやすいのか、筋肉質なのかなどなど。そこでフィッティングの技術が必要になります。これらの情報を元に、実際に採寸したデータに調整を加えます。そのほかに、フィッティングとは直接関係ありませんが、どのような使い方をするのかという情報も靴を作成する上で非常に大切なデータとなります。

脂肪がついた太り気味の足の人と、筋肉質の足の人では、仮に採寸した寸法が同じであっても調整が異なります。脂肪がついた足の人のほうが締めるとさらに締まってしまうので、少しきつめにする必要があります。私達ではさらに、お客様からできる限りの情報を収集し、お客様のご希望とあわせて、最終的にお客様がイメージした以上の商品を作り上げるように心がけています。

そして私達は、足の健康歩きやすさという点を重視することから、甲とかかとをしっかり押さえ、指先は適度なホールドを持ちつつ、ある程度自由に動かせるような仕様にしています。これは、私の師匠が提唱する考えであり、医学的な見地から私達もベストと考える結論です。きつく締め付ける靴は、長い間に足に機能障害をもたらし、またゆるい靴は歩行の際に疲労をもたらします。足に合ったサイズの靴で、快適な歩行をしていただきたいと思っています。

しかしながら、これらの情報を加味しても、私達が作るブリティッシュスタイルの靴は、いくらオーダーメイドとはいえ、初めて履いたそのときから足にぴたりと合うことは、非常にまれです。というより、ブリティッシュスタイルの靴は、履き込んでフィットするように作ってあります。それは、重厚な作りゆえ、時間をかけて素材が落ち着き、足に馴染んでいくことを目的としているためであり、いつまでも永く大切に愛用していただく為です。

オーダー靴と違い、既製の靴を買うときには自分の感覚が頼りです。よく、どれくらいのゆとりが必要なのかという質問がありますが、結局のところ、自分が履いて一番快適と感じるものがベストなフィッティングです。シューフィッターが勧めるのは、あくまでも理論上のベストであり、参考の値です。人それぞれ気になるところは違うので、あくまでも専門家の意見を参考にしつつ、履く人の好みで決めるのが良いと思います。

私達は、オーダー靴において靴が馴染んだときの状態を想定して作っていますが、それでも合わないことがまれにあります。そのような場合を想定して、私達は6ヶ月点検を実施し、お客様のご意見を参考に再度調整を施すこともあります。より快適な靴であるよう、更なる安心を提供していきたいと考えています。


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